◇ ページ19
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エーミールの視線の先を追うようにするオスマンだが、それもすぐに諦めることとなった。彼が示した先はオスマンの斜め後ろ――自分からでは首を回さなければ視界に入れることが出来ない。
そっと音を立てないようにフォークをお皿の上に置き、意識を夫人へとやる。集中して聞き耳を立てれば、微かだが彼女達の話し声が耳に届いた。
「――最近、ちょっと、…………？」
「――それが……全然ダメで……」
「――気分…………た？」
「――勿論！！」
全ての会話を聞くことができた訳でもないが、二人はどのような会話をしているのか想像が着いた。
一人の夫人が突然立ち上がり、大声で叫ぶ。店内は静まり返り客の視線は全て彼女に注がれていた。
これでオスマンは自分が堂々と振り返っても不自然ではないと体を動かすが、大声を出した女性は自分に背を向けていたためその表情は見えない。しかし、叫んだその声はどこか切羽詰まったように聞こえた。
女性は見られていることに気が付いていないのか、否、気にしている余裕が無いのだろう。
ヒステリックに何かを叫んだ女性はお金も払わずに店から飛び出してしまった。あまりの高さに聞き取ることが出来なかったが、恐らく捨て台詞のようなものだろう。
――これが、男女間の問題ならば良かったのに。
二人の心はひとつになった。
オスマンは立ち上がったかと思うと残された女性に近付いて、先程まで人が座っていた椅子へと腰かける。長時間この場にいたのだろう、その椅子はほんのりと暖かかった。
オスマンが行動に出たのを見て、エーミールは自分のやることは無いとその様子を気付かれないように眺めた。
突然見知らぬ男性が近付いてきた夫人は驚きながらも不審そうな目をオスマンに寄越す。しかし当の本人はそんなこと気にせず、中途半端に残されたマカロンをひとつ摘んでは口に入れる。――何も知らない人から見れば完全に不審者だ。
「はじめまして。オスマンと言います」
「はあ……」
「先程何やら言い合っていたみたいですが、どうかされましたか？」
「……貴方には関係ないでしょう」
人好きのする笑みを浮かべるオスマンに、夫人はさらに不信感を抱くだけだった。彼を知る人が見ればその笑みはただの貼り付けた仕事用の笑みでしかないことなんてすぐにわかるだろう。その笑みを不審がっているということは、夫人はかなり勘がいいらしい。
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うみ - 表現の仕方とか大好きです！ついつい読むのに熱中しちゃいます。これからも頑張ってください！！ (2019年10月27日 0時) (
レス) id: c63ddd2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。皆さんの能力設定好きです。陰ながら応援しておりますので無理をせず更新していって下さい。コメント、評価に関してはとても同感です^^ (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ@最近某戦争屋さんにハマった(プロフ) - コメント失礼します！、私は正直語彙力のなさから上手くは言えないのですが、評価やコメントを欲しいって思ってもいいと思います！、褒めて伸ばすって言葉もあるくらいですから！、もしかしたらこの作品をあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、私は大好きです！ (2019年10月16日 7時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます。頑張って設定を考えたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。慣れない書き方をしているのでおかしいところだらけですが.......。能力も今後明らかにしていきますのでお楽しみください。ありがとうございます。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。彼が主人公に選ばれた理由は単純にツイッターアンケートと作者の書きやすさからですが楽しんでいただいてるようで何よりです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2019年10月13日 0時
