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 歓迎会、とは。
 ショッピはその言葉に苦笑いを返すしか出来なかった。既にこの世に生まれて二十年と少し、この歳になってまで歓迎会を開かれるとは夢にも思っていなかったのだ。

 しかしそれぞれの顔付きはショッピが仲間になって嬉しそうにしている――約一名は複雑そうにしていたが――。その顔を見てしまっては、ショッピも結構ですなんて断ることが出来なかった。


「早く早く!」
「いやどこっすか」


 用意されている席の中で空いているのは二つしかない。早くとAは急かすがショッピにはどちらに座るのが正解なのかわからないでいると、上座に座っているグルッペンから最も遠い場所に座っているロボロがこっちだと声をかける。


 ――ならば、真ん中あたりに準備されているのは鬱先生の席か。


 全員の席を確認しながらショッピはロボロに示された席へと向かった。


 上座に存在するグルッペンの両隣りにはトントンとオスマン。トントンが右側でオスマンが左側だ。トントンの隣にはA、そこから順にシャオロン、鬱、エーミール、ロボロと並んでおり、ショッピはロボロの隣に座る。
 オスマンの隣にはしんぺい神、ひとらんらん、ゾム、コネシマ、そしてチーノと順番に並んで座っていた。

 それぞれの前には取り皿があり、長いテーブルの上には等間隔に並んだ大皿が置かれている。中にはどれも同じものが入っているが数種類の食事が用意されており、簡単なビュッフェ方式でその場に存在した。


「一週間前にも説明したと思うが、我々は正式な集団ではない。言わばただの偽善活動に過ぎないが、個人が集まり、今がある。……我々は君を歓迎するぞ!」
「誘われた側なんですけどね、俺」


 グルッペンの言葉に生意気に返すショッピだが、その言葉を咎める者はこの場所にはいない。変わりに様々な場所から笑い声が聞こえてくるのを心地よく思いながら、ショッピはでも、と口を開く。


「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」


 そう言ったショッピの口元はだらしなく緩んでおり、それを隠そうともしていない。ショッピの表情を見た面々は嬉しそうによろしく、と言葉を返した。





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硝子の瞳が僕を見る→←◇



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うみ - 表現の仕方とか大好きです!ついつい読むのに熱中しちゃいます。これからも頑張ってください!! (2019年10月27日 0時) (レス) id: c63ddd2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初コメ失礼します。皆さんの能力設定好きです。陰ながら応援しておりますので無理をせず更新していって下さい。コメント、評価に関してはとても同感です^^ (2019年10月19日 16時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ@最近某戦争屋さんにハマった(プロフ) - コメント失礼します!、私は正直語彙力のなさから上手くは言えないのですが、評価やコメントを欲しいって思ってもいいと思います!、褒めて伸ばすって言葉もあるくらいですから!、もしかしたらこの作品をあまり好きじゃない人もいるかもしれないけど、私は大好きです! (2019年10月16日 7時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます。頑張って設定を考えたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。慣れない書き方をしているのでおかしいところだらけですが.......。能力も今後明らかにしていきますのでお楽しみください。ありがとうございます。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。彼が主人公に選ばれた理由は単純にツイッターアンケートと作者の書きやすさからですが楽しんでいただいてるようで何よりです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 7f43ca59ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2019年10月13日 0時

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