呪術師辞めろと言われたら死んだ。【五条悟】 (ページ8)

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chapter*2-1...初恋の再来ページ8

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「おねーさん、今暇？」

　声をかけられて振り返った。その瞬間、息が止まる。
　真っ黒なサングラスの奥に見えた蒼が、キラリと光った。わざわざ少し下にズラされたそれは、綺麗な瞳を惜しみなく晒していた。
　白い髪はふわふわとしていて触り心地が良さそうだ。長くて量の多いまつ毛が大きな瞳を縁どって、それだけで造形がいいのだと理解する。顔がいい。

「えっと、」
「暇？誰かと待ち合わせしてる？」
「……友達、と？」
「ふーん」

　大きな瞳の形が崩れて、少しだけ笑った。すっと視線が合わなくなったと思えば、彼は姿勢を正しただけだった。でかい。わざわざ私に話しかけるために腰を折って居たのだろうか。いや、それはそうとしてなぜ私に？

　彼はその場を動こうとしない。私の横に並んでどこか遠くを見てた。声をかけてきたのはそっちの癖に、聞くだけ聞いて放置だなんて。むっとして顰め面になるのがわかる。そりゃ、顔のいい人に話しかけられて悪い気はしない。なんで話しかけてきたんだこの人は。
　隣に立つのが嫌になって、少しだけ距離を取ろうと横に動いた時、急に腕が掴まれた。驚いて掴まれた腕を見て、その手の持ち主の顔を見る。

「……なにか？」
「友達のこと待ってるならここでもいいんじゃない？というか君結構ここにいたよね。友達遅くない？」
「貴方に関係ないですよね。腕離してもらっていいですか」
「えー？どうしよっかなぁ」

　ニヤニヤと笑う目の前の男に、無理やり腕を離そうとしてもビクともしなかった。それでも掴まれてる腕は痛くないのでなんというか、まあ、絶妙な力加減だこと。いつまで掴んでいる気なんだろう。そろそろ離してくれてもいいのに。

　じっと睨み付けると、男は突然笑いだした。振動が腕から伝わって来ても尚、男は離そうとしてくれない。
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