鬼十次郎 Happy Birthday! ページ44
高校3年生、幼馴染、マネージャー
私の朝はランニングから始まる。
昔から兄に付き合って走っていたため習慣になっているのだ。
だが今日は違った。
朝から雨が降っていてランニングに行けなかったのである。
どうしようかと思ったが夜には雨が止んだため、夜中にランニングに出た。
外に出て一度しっかり靴紐を結び、走り出した。
何分か走って、いつものコースなのに違和感を感じた。
雰囲気が違うというか、不気味だ。
夜だといつも見えている物が見えていないからだろうか。
そこから更に走ると中間地点のベンチが見えた。
いつもならそこに座って5分ほど休憩するのだが、今はとにかく早く帰りたかった。
ドリンクだけ飲んで再び走り出し、少し進んだ所ところだった。
ガッ
貴『やばっ…』
ドサッ…
貴『いったぁ…』
地面にあった段差に気付かず、転んでしまった。
立ち上がろうとしたが、片足をくじいた上に反対の足もひどくぶつけたようで中々立ち上がれない。
一刻も早く帰ろうと全速力に近い速さで走っていたのが裏目に出たようだ。
貴『どうしよう…』
スマホも充電中だった為持ってきていない。
誰かが来るまでこのままなんてゴメンだ。
時間が立ってもいいから宿舎に戻ろう。
そう思って近くにあるフェンスを伝って歩き始めた。
歩くたびに痛む足をなんとか動かし、進んでいった。
30分ほど歩いた。
宿舎までまだまだ距離がある。
思わずため息をつくと、後ろから足音が聞こえた。
このコースを走る人は確か誰もいなかったはず。
恐怖心が一気に出てきた。
その場から動けずにいると、足音はすぐそばまで近づいている。
どうしよう…このまま走って逃げる?いや、まず走れないし、すぐ追いつかれるに決まってる。
だがそれは杞憂に終わった。
鬼「A!」
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作者名:ブラックトランペット | 作成日時:2019年6月29日 15時