手塚国光 HappyBirthday! ページ37
明治パロ、16歳
私はとある貴族の娘、父は陸軍の中将、女学校に通っている16歳だ。
周りの友人は次々と結婚し、私もそろそろかなと思い始めた時期だった。
父や母からたくさんの男性を見せられているが、ピンとくる人もおらず、あってみても何か違う気がするのだ。
そんな私を見ても父も母も何も言わず、ゆっくりでいいと言ってくれた。
いい両親を持ったな。
だが周りの友人を見るとどうしても焦ってしまうもので。
けれどやっぱりピンとくる男性はいなくて。
そんな日々に不安を覚えながら過ごしていた。
ある日、学校から帰ると母から手紙を差し出された。
貴『これは…？』
母「来週末に開かれる跡部家主催の舞踏会の招待状よ、貴方がいってらっしゃい」
跡部家というと日本有数の貴族だ。
貴『どうしてうちに…？』
母「跡部家の当主様の弟さんとお父様が同級生で、そのよしみでお誘いを受けたのよ」
貴『へぇ…母様たちはいかれないのですか？』
母「お祖父様の家に行かなくてはならないの」
母はそう言うと私に封筒を握らせた。
母「ドレスはこの前見繕ったものを着ていくといいわ。楽しんでらっしゃい」
貴『ありがとうございます。母様』
そして迎えた舞踏会の日、私は家の前に読んである馬車の前に来た。
母達はすでに出かけてしまったため、兄夫婦が見送ってくれた。
兄「気をつけていけよ」
義姉「楽しんだおいで」
貴『ありがとうございます。行って参ります』
私の乗った馬車は道をすいすいと進み、２０分ほど走らせた所で止まった。
扉が開かれ、馬車を降りるとそこには大豪邸があった。
さすがは跡部のお屋敷…。
案内されてホールまで行くまでも、豪華な品がたくさんあった。
そしてホールの扉が開かれた。
そこにいたのは何かしらで顔の見たことのある名のある方ばかり。
取り敢えず主催者への挨拶を済ませたが、やはり話しかけるのを躊躇ってしまいそうな人ばかり。
話の合いそうな人もおらず、すっかり壁の近くにぽつんと立っているだけになってしまった。
そこにある人がやってきた。
跡部「よぉ、楽しんでるか？つっても、あんまそうはみえねーが」
貴『景吾様』
景吾様は跡部家の次期当主。
私も共通の友人がおり、それで何度かお会いしたことがあるがとても優秀な方だ。、
跡部「やっぱ俺の友人ももっと読んでおくべきだったな。居心地悪いだろう」
貴『いえ…そんな事はございませんので…』
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作者名：ブラックトランペット | 作成日時：2019年6月29日 15時
