橘桔平 Happy Birthday! ページ18
元獅子楽、現不動峰マネージャー、橘の彼女
彼氏の桔平君の家、私はキッチンで料理をする彼の背中を眺めていた。
私と彼は幼馴染であり、彼の親とも面識がある。
だからこうして彼の家でくつろいでいても殆ど日常にすぎない。
今日は彼の親も杏ちゃんもいない。
貴『…』
桔平君は無言で何かを作っている。
そこに私にちょっとした悪戯心が芽生えた。
私はゆっくりと何かを切っている桔平君の後ろに近づき、後ろから抱きついた。
橘「こら、危ないぞ」
貴『桔平君が構うてくれん…』
橘「はは、それはすまんかったたい」
桔平君は一度手に持っていた包丁を置くと私の方を向いた。
橘「ほら、来なっせ」
桔平君は手を広げてくれたので私はその中に飛び込んだ。
貴『んー…落ち着く』
橘「Aは甘えん坊ばい」
かくいう桔平君も人のことはいえない。
２人の時は膝枕をねだってきたりするのに。
ボソッと言うと桔平君は私の頭に顎を乗せてきた。
貴『重か…！』
橘「んー？」
貴『桔平君！』
橘「はは、すまんすまん」
桔平君は私の頭から顎を下ろし、頭を撫でてきた。
貴『もー…そういえばこれ、何作っとっと？』
橘「アップルパイたい」
貴『おぉ…！』
橘「A好きやろ？」
貴『うん！』
桔平君は私の身体を離し、もう一度頭を撫でた。
橘「じゃ、ちょっとまってろ」
私は桔平君に言われた通り、スマホを触りながら待っていた。
だんだんアップルパイのいい香りが強くなってくる。
橘「よし。A、できたばい」
私が待っていましたと言わんばかりにテーブルを見ると、お店顔負けの美味しそうなアップルパイがあった。
貴『…！』
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作者名：ブラックトランペット | 作成日時：2019年6月29日 15時
