つきあかり [Ren.N]

考えずにはいられないから、困る。 ページ4

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「今日、あいとる？」

「...あ、はい」

「ご飯行こや、ご飯！」











重岡先輩からのお誘い。
本人は悪気がないし、
単純に仲の良い後輩をご飯に誘っているだけ。









だって、私知ってる。
先輩は社外に普通に彼女がいる。









「からかわれたくないから、黙っとって」

そう言われたけど、
このことが広まれば私は逆風にさらされなくてよくなるのに。









...変なとこでシャイ発揮してんじゃねえよ。










重岡先輩がホワイトボードに書いた、
先輩と私の「直帰」の予定。
それを見た途端、同期女子が何人か給湯室に消えた。












重岡先輩は廉と私が付き合っていることを知っている。










私と廉が遠距離だと言うことも知ってるから、
寂しいやろし、慰めたろか、
くらいの気持ちで誘ってくれてるんだろうけど。












それが誤解を招いていることは、
鈍い重岡先輩には一生わかることはないだろう。












だって、この先輩は、
恐らく自分がモテている自覚すらないのだから。












給湯室から出てきた数人の視線から逃げるように、
重岡先輩を急かす。









「行きましょう、」

「間に合いませんよ」












こんなとき、廉がいてくれたら、なんて。
あの子たちの誤解を解いてくれたら、なんて。











考えても無駄なことは考えない主義なのに。
考えずにはいられないから、困る。
それほどわたしの中で大きな存在なんだ、たぶん。












あぁでも、
わたしと廉がつきあってるだけでも、
あのこたちは私を攻撃の対象としか見なさないんだろう。










廉のせいなのに、
でも私は確かに廉が好きだから、
辛い。











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