つきあかり [Ren.N]

なんで、____なんで、 ページ14

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今日も息をしないで仕事をやり過ごす。








何日目だろうか、
二股だなんてあらぬ疑惑をかけられてから。







ある程度は居心地のよかった職場が、
針のむしろに変わった。








わりと規模が大きい会社なのに、
コミュニティは密で噂が伝わるのも早い。








噂が伝わったのであろう他の課の人から、
遠慮ない視線を向けられることにももう慣れた。








上司の嫌味にも、
受付嬢のくすくす笑いにも。









いつまで耐えればいいのか。









答えはもう分かってる。
...廉が帰ってくるまで。








廉が帰ってきたら、
すべてが解決する。









廉とわたしがふつうに付き合って、
重岡先輩は彼女さんと仲良くやって。








わたしが廉と付き合ってても、
向けられる悪意は消えないだろうけど、
廉が誤解を解いてくれる。











根拠のない、信頼があった。
...嘘。
まだ、わたしは廉のカノジョでいられるのかなんて、
分かんないまま。










それでもやっぱり辛いものは辛くて、
内心で肩肘張ってられる期間はとっくに過ぎていた。









もう、涙すら出ない。
これ以上あらぬ誤解を招きたくないから、
重岡先輩とも必要最低限しか話さないようにして。









唇をぎゅっと噛んでマンションのエントランスを過ぎる。










家も、廉の影がちらつくから辛いのに、
もう、どこも安心できる場所なんかないのに、









「まだ、別れたことにしてへん？」








なんで、_____なんで、
廉がわたしの家のドアの前に立ってるの？











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つきあかりが、→←思った以上に心に刺さった。

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