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「ふふ」
「…笑わないでくださいよ」
「あ、聞こえてましたか」
「丸聞こえですよ」
「ふふふ、面白いですねジュンフィ。運動できそうなのに、バスケできないんですね」
「…バスケ以外もあんまり」
「ふふ、めちゃくちゃ面白いなぁ」
「…それはよかったです」


むすっとした顔のジュンフィ。
こうやって話すようになってから、彼の色々な表情を見るようになって、何だか楽しい。


くすくす笑っていると、ぽん、と頭に手が乗った。

「あんまり笑わないでください」
「ふふ、だって、」

ぐいっと顔をのぞきこまれる。

ぐっ、

「Aの笑う顔は好きだけど、僕だってかっこつけたいんですから」

ね?と微笑まれる。
いつの間にか止まってしまった私たちの足。


「わ、分かりましたから離れて」
「あっ、ごめんなさい」

すっと離れて、また私の隣に並んだジュンフィ。

「心臓、」
「え?」
「また心臓がぎゅーってしました」
「ふふ、それはよかった」
「よくないって言ってるじゃないですか!」

そう、こうやって急に近づいてくるジュンフィに、私はまだ慣れない。
心臓がぎゅーっと痛くなるのだ。

心臓が痛い、とジュンフィに言うと、彼はいつも嬉しそうにするから言うのが悔しい。

私だって、ジュンフィの心臓がぎゅーって痛くなるような仕返しがしたいのに。


ふたりで歩いていると、学校が見えてきた。

この時間もそろそろ終わりか。


「あーあ、学校に着いちゃいますね」
「そうですね、やっとジュンフィと離れられます」
「ふふ、素直じゃないんだから」
「本心ですよ」
「はいはい」


心臓が痛くなるこの時間は、楽しいけれど、苦しいから。

一緒に教室まで上がって、教室の前で手を振る。


「ジュンフィー!!おはよう!!」

後ろから聞こえた声にびくっとしてしまった。

ああ、あの子か。

教室の前で手を振るまでは私だけしか見ていなかったジュンフィは、その子に向かって私とは違う笑顔を向ける。

私はいつもそれを見ながらちょっと鼻で笑うんだ。


ふーん、その子のこと大好きなのねって。


まあいいや、今日は体育で運動音痴な彼の姿が見られるんだもん。


そう思いながら私も教室へ入った。

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むーん(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんこんにちは〜!嬉しいお言葉ありがとうございます;;ゆっくりにはなりますがこれからもぽちぽち更新していくのでまたぜひのぞいてやってください〜!コメントありがとうございました(^^)! (2016年7月6日 22時) (レス) id: f23a0a8e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むーん様の書くお話が本当に好きで毎回キュンキュンしています!これからも素敵なお話をよろしくお願いします。ジュンくんの番外編楽しみにしています〜^^いきなりのコメント失礼しました (2016年7月5日 23時) (レス) id: 710c56be2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むーん | 作成日時:2016年6月25日 16時

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