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12 fin ページ26

「だめ?」
「、だめじゃない」
「じゃあ、」
「うん、ジュンフィの彼女になる」
「ありがとう」

弱まった手の力がまた強くなった。

気づいたら日が暮れていて、辺りは薄暗くなっている。


「A、そろそろ帰ろうか」
「え?あ、うん」

公園には私たち以外には誰もいない。

あ、大事なこと忘れてた

「ジュンフィ、誕生日プレゼント、今度ちゃんと渡すから。何がいい?」
「もうもらったよ」
「デート以外で!」
「じゃなくて、」

ぽん、と頭に手が乗る。

「A」
「え?」
「僕の彼女になってくれたでしょ」
「うん」
「こんなに嬉しいことないよ。人生で一番幸せな誕生日になったよ」

ありがとう、と微笑むジュンフィに、思わず手を伸ばした。

「ちょ、A」
「ジュンフィ、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう」
「うん、」
「来年は、もっと幸せな誕生日にしてあげる」
「ふふ、ありがとう」

いつも私にしてくれるみたいに、ジュンフィの頭を優しく撫でる。
その手を下ろすと、ジュンフィは立ち上がった。

「さ、帰ろう」
「うん」

夕日が照らして、ふたつの長い影が並ぶ。


「ジュンフィの言った通りだった」
「ん?」
「私とジュンフィの関係が変わるって話」

そう言うと、にっこり笑ったジュンフィにつられて、私も笑った。


一歩近づいて、隣に並んで。
今度はふたりで歩き出す。

いつもは向こうから繋がる手に、今日は私から手を伸ばした。

「A、痛いです」
「え?」
「心臓がぎゅーってなって、苦しいです、A」

反対の手で自分の胸を抑えて少し笑ったジュンフィ。

「やっと仕返しができた」

そう言うと、またにっこり笑った彼の腕にぎゅっと抱きついた。


一歩先には君がいて。
ひとつ進んだら君はそこで待っていて。

今度の一歩はふたり一緒に踏み出そう。


fin

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むーん(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんこんにちは〜!嬉しいお言葉ありがとうございます;;ゆっくりにはなりますがこれからもぽちぽち更新していくのでまたぜひのぞいてやってください〜!コメントありがとうございました(^^)! (2016年7月6日 22時) (レス) id: f23a0a8e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むーん様の書くお話が本当に好きで毎回キュンキュンしています!これからも素敵なお話をよろしくお願いします。ジュンくんの番外編楽しみにしています〜^^いきなりのコメント失礼しました (2016年7月5日 23時) (レス) id: 710c56be2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むーん | 作成日時:2016年6月25日 16時

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