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注文したクレープを受け取って公園に入ると、屋根がついているスペースに、小さなテーブルと、それを挟んで向かい合わせに置かれた椅子がふたつ並んでいるところがあった。ちょうど誰もいない。
「A、ここ座ろう」
「うん」
ふたりで向かい合わせになって座る。
クレープを持ってにこにこしてるジュンフィ。
「A、食べて」
「え？うん。ジュンフィは食べないの？」
「食べるよ。でも先にAが食べて」
何だかよく分からないリクエスト。
…まあでも、誕生日だし、快く応じよう。
「…いただきます」
じーっと見つめられて少し変な感じがするけど、とりあえず一口かじってみる。
…ん！お、おいしい…！！
「どう？美味しい？」
「おいしい！」
「はは、良かった」
そう言ってジュンフィもクレープを食べ始める。
特に話すこともなくて、向こうの遊具で遊ぶ子供たちを眺めながら、ただ黙々とクレープを頬張った。
これ食べ終わったらどうしよう。
ジュンフィがしたいことをするって、それでいいのかな。
今のところ、ジュンフィが喜びそうなことが何ひとつ思いついてない。
ふと視線をジュンフィに戻すと、ジュンフィも子供たちを見ていた。
…何を考えてるのかな、この人は。
どんな気持ちで今ここにいるんだろう。
誕生日を私と過ごしてくれるってことは、そりゃ少しは特別に思ってくれてるんだろうけど。
子供たちを眺める優しい瞳を見て思い出す。初めて話したあの日まで、ずっとずっとこの瞳が怖かったこと。
…どうして怖かったんだろう。
「A」
彼にこうして名前を呼ばれると、どうして心臓がぎゅーっと痛くなるんだろう。
「A、どうしたの？」
顔の前で手を振られて、我に返る。
「あ、ごめん。何でもないよ」
「そう？またぼーっとしてたから」
そう言ってくすくす笑う。
そんな彼の笑顔を見るだけで、少し苦しくなってしまう。
どうして？
「A、クレープ食べないの？」
「え？あ、食べる！」
気づくとジュンフィの手からクレープは消えていて、私の手元には残り半分程のクレープが。
「ジュンフィもう食べ終わったの？」
「うん」
「待って待って。急いで食べるから」
「いいよ、ゆっくり食べて」
「ありがとう」
そう答えて、手元のクレープに目を向ける。
もぐもぐもぐもぐ
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むーん(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんこんにちは〜！嬉しいお言葉ありがとうございます；；ゆっくりにはなりますがこれからもぽちぽち更新していくのでまたぜひのぞいてやってください〜！コメントありがとうございました(^^)！ (2016年7月6日 22時) (
レス) id: f23a0a8e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むーん様の書くお話が本当に好きで毎回キュンキュンしています！これからも素敵なお話をよろしくお願いします。ジュンくんの番外編楽しみにしています〜^^いきなりのコメント失礼しました (2016年7月5日 23時) (レス) id: 710c56be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むーん | 作成日時：2016年6月25日 16時
