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誕生日のこと知らなかったけれど、今日はジュンフィが一番幸せじゃなきゃダメな日だから、私が出来ることなら何だってするのに。
そんな私の気持ちが分からないジュンフィは、変な鼻歌まで歌い出した。
いつもなら何それって笑うところだけど、今日はそれどころではない。
只今夕方の4時半。帰りが遅くなるってお母さんに連絡しておいても…ジュンフィと一緒にいられるのはあと数時間しかない。
さて、どうしたものか。
ジュンフィに幸せを感じてもらうにはどうすればいいのかな。
「A?」
「…え?」
急に名前を呼ばれて我に返る。
「クレープ、食べない?」
「へ?」
「Aがこの間食べたいって言ってたクレープ食べようよ」
「う、うん」
よし!なんて言って公園の前にあるクレープ屋に連れてかれる。
「どれにする?」
「え?す、ストロベリー?」
「じゃあ僕はチョコにするかな。すいません、ストロベリーとチョコ一つずつください」
店員さんにさらっと注文してお金を出したジュンフィをぼーっと見つめていた。
レシートを受け取って財布にしまって、また私の手を握るジュンフィ。
…え、待って待って
「ジュンフィ」
「ん?」
「レシートちょうだい」
「え?なんで?」
「な、なんでって、ジュンフィ今日誕生日なんだから私が奢るよ」
そう言うと、財布からレシートを取り出す手を止めて私を睨んだジュンフィ。
「な、なんで睨むの」
「そういうことならレシートは渡しません」
「なんで!」
「…A、僕たち今何してるのか分かってる?」
「は?」
そう言うと、再び握った手をまた見せつけるように持ち上げられる。
「デート」
「…」
「僕男なんだから。デート中くらいかっこつけさせてよ」
「…で、でも、今日誕生日、」
「だから、僕がしたいようにしたっていいでしょ」
いつもは簡単に折れてくれるのに、今日は何だか強気なジュンフィ。
したいことをするって、そんな事言われたらもう言い返せないじゃない。
「…分かったよ」
「うん」
「ありがとう、ジュンフィ」
「ふふ、それでいいの」
少しむくれた私の頭を優しく撫でるジュンフィ。
…悔しいな。いつだって心臓をぎゅーっと痛くさせるのはジュンフィで。いつだってかっこいいのはジュンフィなんだもん。
ずるい
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むーん(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんこんにちは〜!嬉しいお言葉ありがとうございます;;ゆっくりにはなりますがこれからもぽちぽち更新していくのでまたぜひのぞいてやってください〜!コメントありがとうございました(^^)! (2016年7月6日 22時) (レス) id: f23a0a8e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むーん様の書くお話が本当に好きで毎回キュンキュンしています!これからも素敵なお話をよろしくお願いします。ジュンくんの番外編楽しみにしています〜^^いきなりのコメント失礼しました (2016年7月5日 23時) (レス) id: 710c56be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むーん | 作成日時:2016年6月25日 16時