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「A、僕、何かした？」
同じ質問をさっきよりゆっくり口にしたジュンフィ。
「…してない」
そう、ジュンフィは何もしてない。
私の気持ちの問題。
「A、思ってることは全部話して？Aのこと、ちゃんと知りたい」
優しく両手を握られる。
思えばいつもこうだ。目を合わせて、両手を握って。悔しいけど、こうされると口からぽろっと本音が出てしまう。
「…でも、良くないことだし」
「良くないこと？」
「ジュンフィが嫌な気持ちになることだよ」
「…いいよ、言ってみて」
「だって、」
だって、言ってしまったらもう止まらなくなる。
言葉に詰まった私。
思わず下を向くと、目の前のジュンフィは立ち上がって、私の手を優しく引いた。
すぐそばの空き教室に連れて行かれる。
座って、と促されて素直に椅子に座った。
私の隣の席に座ったジュンフィと向かい合わせになる。
膝と膝が少しだけぶつかった。
「Aのこと、何でも知りたい。嫌な気持ちになんてならないから」
「ほんとに？」
「うん、本当」
「私のこと、嫌いにならない？」
「ならないよ」
「ほんと？」
「うん、本当」
さっきから私、子供みたい。
でもジュンフィは真剣に私の話を聞いてくれる。
「…嫌だったの」
「うん」
「ジュンフィの親友の女の子、可愛かった。とっても」
「うん」
「私、全然可愛くないし。ジュンフィの親友じゃないし」
「…」
「ずるいって、思ったの。私だってあんなに可愛いくて、もっとジュンフィの近くにいる子だったらなって。あの子ばっかりずるいって」
「A、」
「でもね、一番何が嫌だったかってね」
そう、一番嫌なのは
「自分なの」
「A」
「ジュンフィの親友のあの子がとびきり可愛いことも、ジュンフィがあの子に私の知らない笑顔を見せることも、それは、なんてことないことなのに、私にとっては違うみたい」
「…」
「こんな、黒い気持ちを持ってるなんて、私ってすごく、……醜い」
「そんなことない」
「そんなことあるよ。だって、だって」
「もういいから」
「ジュンフィが、特別だから。私にとって、特別だから。どんどん大きくなっていくの、特別な気持ちが」
特別だから
そう口に出してぐっと胸が苦しくなった。
特別ってなんだろう。
特別だから、こんなに苦しくなるの？
苦しくなくなる方法なんてあるの？
頭がまたぐるぐるとまわりはじめた。
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むーん(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんこんにちは〜！嬉しいお言葉ありがとうございます；；ゆっくりにはなりますがこれからもぽちぽち更新していくのでまたぜひのぞいてやってください〜！コメントありがとうございました(^^)！ (2016年7月6日 22時) (
レス) id: f23a0a8e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - むーん様の書くお話が本当に好きで毎回キュンキュンしています！これからも素敵なお話をよろしくお願いします。ジュンくんの番外編楽しみにしています〜^^いきなりのコメント失礼しました (2016年7月5日 23時) (レス) id: 710c56be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むーん | 作成日時：2016年6月25日 16時
