僕の砂糖は甘すぎる。*ジンシュガ (ページ14)

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会話が。ページ14

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注文が全て届いたことを確認すると店員はごゆっくりどうぞと笑った。

「おいしそう」

目の前にはパスタやらサラダやらステーキやら2人では多すぎるほどの洒落た料理が並んでいた。

あの後調子に乗った僕が頼みすぎたんだけれど。

二人ともちゃんと食前の挨拶をして、僕は早速ステーキに手を伸ばす。

そういえばジョングクがまたジムに篭もりきりだとか、他グループの誰に恋人が出来ただとか、何年か前かで食べていた僕の手料理がいつもごま油だらけで飽きていただとか。
世間話やくだらない思い出話に華を咲かせながら箸を進めていた。

ユンギは膝に手を置いたまま、「ところで」と話を切り替えた。

「ここの店の壁って防音らしいんですよ」

「へえ、なら音楽かけてもいいかな」

BGMの掛からない飲食店なんて珍しいと思っていたところだ。やはり少し寂しい。

僕はスマホに手を伸ばしてプレイリストを開く。

でもいつの間にか隣にまできたユンギに端末が奪われる。

ああ、ユンギが曲掛けたかったのか。そう言えばいいのに。

「いいよ、ユンギの好きにして」

「は....」

なにか変なことを言っただろうか。

目をぱちくりさせるユンギ。
暖かい照明に照らされた瞳孔がまん丸で、まるで子猫みたいだ。

「遠慮しませんよ」

そう言ってユンギは不敵な笑みを浮かべた。

なんでそんな顔をするのか分からないけど僕の大好きな表情だから無論鼓動は早くなった。

「ん」

突然押し込まれるように触れる唇。
前のめりになるユンギは僕の胸に手を置いた。
僕は後ろに倒れてしまわないように床に手を付く。

「ゆんぎ....？」

どうしたの。
そう言おうとしたけどその小さな舌に口を塞がれる。

そういえばキスとか数週間ぶりにしたかも。
僕に体重をかけないように震える足でバランスを取っている。
甘え方が下手だな、なんて僕が言えたものじゃないけれど。

ユンギの肩に手を回し体重を前へ倒した。
頭を打ってしまわないようにちゃんとユンギの頭を手で支える。
ユンギは体勢が変わって一瞬びっくりしたようだけど、すぐにまた僕の唇を食んだ。

キスが、より深くなる。
互いに唾液がこぼれてきてしまったところで口を離した。

「....どうしたの、突然」

「好きにしろってヒョンが」

...合点がいった。

通りで噛み合っていなかった訳だ。

「あっははは、いやあ僕は、音楽好きなの掛けていいよっていう意味で」

「え」

「え？」

「........殺せ」

「待て待て待て」