Like a cake*jk／jm ページ8
＊
「いらっしゃいませー」
閉店間際、がらんとした空間に入店してきた１人の男性。
パーカーにジーンズとラフな恰好。
見た感じ10代か僕と同じ20代前半と言ったところだ。
顔がよく見えないけれど、ショーケースの中のケーキを眺めて悩む姿は、まるで女の子みたいで同じ男ながら可愛らしい人だな、と思った。
「お決まりですか？」
そう聞くと彼が指差したのは苺のショートケーキ。
僕の一番好きなやつ。
お店のケーキって沢山種類があるから選ぶ時すごく迷うけど、やっぱりそれに落ち着くよね、よく分かるよその気持ち。
勝手に心の中で共感しながら、トングでショーケースの中からケーキを取り出す。
それを箱に詰め終えると今度はレジを打つ。
「--円になります」
金額を言うと、彼は慌ただしく財布の中から小銭を取り出し始めた。
姿勢を正しながらじっと待つ不毛な沈黙。
....僕が箱詰めしている間に用意してくれれば良かったのに、と心の中で呟く。
目元にかかる程に伸びた前髪。
手元の財布から小銭を探すのに夢中なようで表情が見えない。
言っては悪いと思うけれど、いわゆる"暗いひと"という印象を持った。
待っているとゴツゴツとした男らしい手からようやく渡されたケーキの値段ぴったりの小銭。
受け取る時に僅かに互いの手が触れると彼が少したじろいだ。
その反応が何だか可笑しくて、僕はレシートを渡す時にわざと彼の手を握ってみた。
「レシートです」
「っ....！？」
明らかに動揺しているのが見て分かった。
僕のとった行動によっぽど驚いたんだろう、彼は入店してから今までずっと俯かせていた顔を上げると、ポカンとした表情で僕を見た。
目と目が合って、
＿＿＿どくん。
心臓が強く脈打つ。
今度は彼の方ではなく、僕が動揺していた。
ふわりと舞うカラメル色の髪。
熟れた苺のように紅くぷるりとした唇。
生クリームのように白く透き通り、スポンジのように柔らかくほんのりピンク色に染まった頬。
僕を見つめるチョコチップのようにクリクリとした黒く澄んだ瞳。
彼のそのあまりにも美しすぎる容貌に息が詰まった。
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すぴやな(プロフ) - 塩茘枝さん» 塩茘枝こんにちは！いつもコメントありがとうございます。好きって言って貰えるのが一番嬉しいです笑 がんばります！ (2020年8月21日 22時) (
レス) id: 3b988406b4 (このIDを非表示/違反報告)
塩茘枝(プロフ) - こんにちは グクミンのケーキのやつ、とっても好きです！！更新頑張ってください！ (2020年8月21日 20時) (レス) id: 9b30e15365 (このIDを非表示/違反報告)
セジュン(プロフ) - せつない…………煙草嫌いだけど純粋にぐっときた……めっちゃえもーしょなる…………… (2019年4月27日 7時) (レス) id: c623726b4a (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - ななさん» ひぇぇ....どれも私には勿体なさすぎる言葉です。ななさんありがとうございます...！！；； (2018年12月4日 22時) (レス) id: 3b988406b4 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - なんかもう、、表現の仕方がうまいというか 、プロというか、天才というか 、簡単にいって神ですかね 。 (2018年12月4日 20時) (レス) id: 9910436c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴやな
| 作成日時：2018年7月13日 0時
