泡沫の水晶は恋色に*BTS／BL

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....やっぱりあった。

言っても片付けないんだよな、あいつ。


「.....ぁ、」


つい声が漏れた。


なんで。


絆創膏のパッケージの横。

同じくらいの大きさの箱。

お前の好きだと言っていた銘柄。

まさかこれも忘れて行ったなんて言わないで。


“僕煙草好きじゃないんだよ”


わざわざベランダに出てくれて、冬でもないのに真っ白な長い息を吐いていた。

煙草は嫌いだったけど、吸ってるお前の姿はなんだか絵になっていて。

写真に収めてみてもいいかもと思うくらい、いつも見蕩れていた。

ふわりと開けっ放しの窓から冷えきった夜風が吹き込んでカーテンが軽く捲れる。

もうそこにお前は居ない。

シュッと擦れる音がした。

青と橙が揺れるオイルライター。

ココアシガレットに良く似たそれ。

なんでだろう、大嫌いなはずなのに。

かざしてみれば生まれたあいつの息と同じ半透明な白。


「....てひょな、」


大好きな匂いがした。

いつものお前の匂いがしたんだ。

大好きなお前の匂いがしたんだ。

ちょっと真似てみる、お前の持ち方。

やっぱりぎこちなくてちょっとかっこ悪い。

先端を唇で咥えてゆっくり吸い込む。


「っ、げほっ....けほ」


だけど、やっぱり噎せてしまった。

....お前とのキスの味を思い出してしまった。


“俺たち、もう離れた方がいいと思う”


鼻の奥がつんとして、目元が熱くなっていく。


「...っ、ぅ、うぁあぁ....ｯ」


お前をもっとちゃんと見ていればよかった。

お前のことをもっとちゃんと分かっていればよかった。

僕を見てくれなくてもいいから。

もう一度。

お前は僕にとってのたったひとり。

風に煽られ窓から出ていく苦味は見えないのに。

僕の髪の毛やソファにまでしっかり深く纏わり付いた。

お前みたいだな、と思った。









end






2018.01.22

今日タバコの日だって気付いて、コレサワさんのたばこを聴きながら去年走り書きしたやつ。
なんか読みづらい。

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