泡沫の水晶は恋色に*BTS／BL

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「....寝れないの？」


寝返りをうった先、目の前にあった目蓋がゆっくり持ち上がったかと思うと心地よい声が僕に言う。

闇に順応した瞳のおかげで視界はすっかり不便ない。


「すこし」


のうのうと寝ていられる方が異常だろう。

自分の好きな人と二人きり、同じ布団で寝ている状況なんて。


「ジミニヒョンって僕のこと大好きですよね」


俗にいう深夜テンションってやつなのか。

ほんのわずかな眠気とアドレナリンが共存してしまって迂闊なことを口走る。

だけどそれもこんな夜更けのせいにできるなら、好都合。


「お、やっとヒョンの愛が伝わったのかな？」


線を引いたように細まる瞳。よーしゃよしゃ、とまるで犬を扱うように撫で回される頭。

わざわざ布団から抜き出されたばかりのその手の温もりが、気持ちいい。


「....ジョングガさ、」


少しの沈黙のあと、...夜更けの静けさのせいだけではないだろう、すこし真剣な顔つきに見えるジミニヒョン。その厚い唇がゆっくりと開く。


「好きな子居るでしょ」

「はい、...ぁ、」


瞬間、僕は後悔した。

うっかり頷いてしまったのはいい。眠くて適当に返事しちゃいました、なんて翌朝にすっとぼければいい話だから。

だけど頷いたことに対して僕は「しまった」という声と表情を出してしまったんだ。しっかりと意識が無いのなら、こんなリアクション取らないだろう。


...どうにかしないと。

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