Trick or Treat? *グクテテ (ページ3)

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心配です。ページ3

＊

「....ねぇヒョン」

そう言ってジョングガは俺の仮装のスカートを人差し指と親指の腹で軽く引っ張った。

「どういうつもりですか?これ」

「だから、仮装....」

「ヒョン達に襲われる可能性まで考えてなかった、なんて言いませんよね?」

「襲われるって....」

ジョングガの思いがけないまさかの発言に俺の頭はついていかなかった。

「俺は真面目に言ってるんですよ、ヒョン」

いくらなんでも考えすぎだ、心配するにも程があるよ。
それにそんな鋭い声で言われちゃまるで皆が敵みたいじゃないか。

内心、少しカチンと来た。

「そんなのある訳ないだろ」

「なんでですか?」

「だって、みんなは同じグループのメンバーで、兄弟みたいなもんだし....」

「その“同じグループのメンバーで兄弟みたいなもん”の1人と恋人の貴方がそれ言います?」

「あ....」

「どんなに親しくて信頼があったって相手の考えを読み取れる訳じゃないんですからね。
....心配ですよ、正直」

縄張りを主張する肉食動物みたいに鋭かった目が伏せられる。哀しそうな、寂しそうな、そんな色を含んだ瞳。今この部屋には俺とジョングガの2人が居るのに、まるでジョングガが独りぼっちで居る、そういう孤独感を漂わせている。
普段は放任主義なはずの恋人のそんな雰囲気を感じ取って放っておくなんて野暮なこと俺には出来ないわけで。