marble chocolate2【東海オンエア】 (ページ28)

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次はもっと… ページ28

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ザーッときたゲリラ豪雨に
まんまと巻き込まれた俺とこいつが
行き着く先なんかどうせどっちかの家しかない。

そこで陥ることなんか一つしかない…

--＊--

『っ…としみつ！やっ…』

玄関でびしょ濡れの身体を乱すことに夢中な俺と
俺に為すがままにされてるA。

可哀想。って表現が一番近いと思う。

むしろそれ以外は無い。

『ねえ！いい加減に…』

と「うるせぇ。」

自分が酷く冷たい声をしていたこと。
この声でAの抵抗がなくなったこと。

こんなことまでしといて実はかなり冷静なこと。

ああ…またこうやって俺は俺が嫌いになってく。

大事なものほど、大事にしようと思えば思うほど
自らの手で壊してしまう。

不器用な男…なんて聞こえがいいだけ。
かっこよくもなんともねぇ。

『はっ…としみつ…』

少し息を乱しながら俺の名前を呼ぶAと
Aに無言で目を合わせる俺。

前髪から垂れた雫が頬を伝って落ちていく…

その光景が
俺にはなぜかスローモーションに見えた。

泣いてるみたいだ。
本当に泣いてくれればよかったのに。

泣くか、怒るかしてくれればよかったのに…

と「なに？」

俺の声はまだ冷たい。

『せめて…お風呂、行こ？…風邪ひく…』

明日、割と体力勝負の動画多いから風邪はひきたくねぇな…
とか冷静に思うあたりで自分にげんなりして

『だめ？』

不意打ちの甘くて柔らかいその表情に全てを持ってかれた。

と「だめ…じゃねぇ。」

『よかった…』

次はもっと上手くやる。優しくやる。
って毎回決意を改めるんだが出来た試しがない。

もう無理かもしらん…

それでも…

と「俺のこと嫌ってくれていいから。」

『嫌わないよ笑』

と「…あっそ。」

こいつに嫌われない限りは諦めずにいようと思う。