弐拾陸 ページ29
?「A………起きなさい。」
誰かに呼ばれたような気がして、目を開ける。
「あっ、お父、様??私は今まで何を?」
父「A。久しぶりだね、あの時からずっとお前はあそこにいるんだろう?」
目の前にはお父様がおり、彼岸花が咲き乱れる不思議な空間にいました。それに、なぜか身体が濡れている。
でも、何故私は今まで何をしていて、何のためにここにいて、お父様が目の前にいるのかわからなかったのです。
「あの……ここはどこなのでしょうか?私は…ずっとお父様といたのでしょうか?」
父「記憶の混乱が起きているようだね。無理もない、でもその、疑問に答えている時間はない。Aこれから、お前にはその身に宿る血を覚醒させてもらうよ。」
「覚醒?でもお父様…私……あぁ!そうです、何故何故目が見えているのですか!!!?」
思い出してきました。私は地縛霊で、目が見えなくて……先ほどまで花開院さんのお話を聞いていて、枝垂れ桜の月夜様は私で?
父「思い出してきたようだね。一つ疑問に答えるならAの目が見えているのは本来の身体に魂が戻ってきたからだよ。魂だけの時はあの事件のショック状態のままだったけれど、身体はその間癒しておいたしショック状態から抜け出したからかな。さぁ、本当に時間がないんだ。行こう」
「……わかりました。」
まだまだ、混乱しているけれど。覚醒はお父様が焦ってしまわれる程今、大事なこととのこと……疑問をぐっと飲み込んみ、お父様の手を使って足に力が入らないながら、彼岸花が咲き乱れる空間を抜け出す。
次に待っていたのは、荒れた大地に薄暗い空、微かに聞こえる音。風でも吹いているのかしら?
父「さぁ、ここだよ。」
「閻魔庁」
連れられた先にあった朱色の建物。閻魔庁と書かれていた。つまり、私は今地獄にいる…花開院さんが仰っていた冥府の鬼だから?
父「中に入って、あの鏡の前にたつんだ」
閻魔庁の中は、その名前から想像する景色と同じような景色が広がっていました。
法廷…
ですが、そこにいるであろう閻魔大王も罪人も…私たち以外は誰もいない。
父「この浄玻璃の鏡。生前の行いを全て写すもの…辛いだろうけどしっかり見て欲しい。あの事件の日何があったのかを…それを思い出し受け入れることによってお前の中の皇の血を覚醒させる(もちろん。今回の場合は外界からの協力も必要だ…頼んだよ、花開院家の方達)」
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あかり - 面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!応援してます! (2021年5月31日 0時) (レス) id: 0c79b72284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あや | 作成日時:2020年4月5日 22時