幼馴染なはずだった【佐野万次郎】

39.友達以上恋人未満 ページ40

話をしようと思ってもなかなか言い出せず



アイスはもう食べ終わってしまった




『旅行、楽しかったね』


マ「うん」



全然会話も続かない



ただ黙って隣にいた



でもこのまま終わるのはもう嫌だ




そう思って勇気を出した



『あのさ、話したいことあるの』



そういうとマイキーは私の目を見た



『私たちってもうただの幼馴染じゃないよね？』



一応確認



そう思ってるのは私だけかもしれないし



マ「まぁたしかにそうだね」



緊張しながら返答を待つとマイキーも同じ気持ちだった



『これってさ？なんて言うのかな』



マ「なに？」



この関係



言うならば



『友達以上恋人未満ってやつ？』



シーンとした



なんか言いなさいよ



何も言わない代わりにマイキーは手を頭の後ろで組んでソファーにもたれかけた




ギシッと音が鳴る




『私はね…』



心臓がなりすぎて浮遊感さえ感じる




『もうマイキーを幼馴染として見れてない』




そう言いながらマイキーに目を向けると視線があった



『好きになっちゃった。マイキーのこと』




言ってしまった



ときめくだとかドキドキするとかそんな曖昧な言葉ではなく



ちゃんと好きだと伝えてしまった



もう後戻りは出来ない




マ「俺は…」




あまりの緊張に涙が溢れそうになる



お願い、マイキー



同じ気持ちだって言ってよ




マ「……今すぐには言えない」



『そっ…か』


心のどこかできっと同じ気持ちだって思ってた



私が好きだって言ったら俺もって言ってくれると思ってた




『別に今じゃなくていいよ！でも、いずれかはちゃんとしたい』



マ「わかってる」




急にごめんね？じゃあかえるね！と言い残し部屋を出た




エ「あれ？もう帰んの？」


『うん、疲れたしアイス食べに来ただけだから！』



おやすみ


そう言って逃げ出すように家に帰った




部屋で1人になるとさっきのことで頭がいっぱいになる



違うんだ



あまりにも急だったから



心の準備ができてないんだきっと




何事も私中心で動くわけじゃない



ちゃんとマイキーのペースも考えないと！




そう自分に言い聞かせた




そう信じたかった

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