幼馴染なはずだった【佐野万次郎】

38.アイス ページ39

『お母さん今日はありがとう』



家に着いて荷物を片付けながらお母さんに感謝した



母「いいのよこれくらい。だって1度きりの夏じゃない？」



『1度きりね〜』


何となく聞いてるとお母さんはちょっと！これまじよ！！と真剣な顔をした



母「まだ若いし夏はまた来るかもしれないけど、この時期のこの夏は今しかないからね？」



そう言われた



この時期のこの夏…



まぁ一理ある



その言葉をきっかけになんでかマイキーと私の関係をはっきりさせたくなった




ずっとこのまま微妙な関係でいる訳にはいかない




夜ご飯を食べ終わってお風呂も入った21時




ずっとモヤモヤが消えない




母「あら〜アイスもうないと思ったからさっきコンビニで買ってきたのに！お父さん仕事終わり買ってたの！？冷凍庫入んないわね…」



なんて声が聞こえた



『お母さんそれ！！隣持って行っていい？』



咄嗟にそういった



母「そーね！そうしましょ！」


入り切らないアイスをビニール袋に入れる



『いってくる！』



半袖短パンにサンダルを履いて家を出た



インターフォンも押さずに家に入るのはいつもの事




『こんばんわ〜』



エ「ん？Aちゃん？？」


『アイスおすそ分けしに来た』



そう言いながら目でマイキーを探す



エ「マイキーなら部屋だよ」



何も言ってないのに探してることバレて少し恥ずかしくなる



『別に探してないけどね！』



そう言いつつ自分の分とマイキーの分を手に持って



『ちょっとマイキーのとこ行く』



マイキーの部屋に向かった




ｺﾝｺﾝ


ノックをしても反応はない



『マイキー、寝てる？』



次は声をかけてみる




すると


マ「起きてる」



そう言って扉があいた




『アイス食べようよ』




急すぎるし


なに？アイスたべようよって



小学生か！


なんて誰も突っ込んでくれないから自分でツッコミを入れる




ソファーにマイキーが座るから私もひとつ分くらいあけて隣に座る




『どっちがいい？』


マ「こっち」



散々一緒にいたのに


2人になるとどうもぎこちなくなる



マ「寒そうな服」


私の短パンをみてそういうマイキー



『そーかな』



マ「うん。絶対寒い」



そう言って2人の空いていた距離を詰め、使い古されたあのタオルケットを私の膝と自分の膝に掛けた



『ボロボロじゃん』


マ「文句言うなよ」




体温が暑いせいかいつもよりアイスが早く溶けるように感じた

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