幼馴染なはずだった【佐野万次郎】

26.あの日の約束 ページ27

真「中学生上手くやってるか？」



スイカを食べながらそんなお父さんみたいな事を聞かれる



『うん、まぁね』



そうやって聞かれる度私は真一郎くんにとって子供にしか見えてないんだと実感してた



身長伸びたなとか今何習ってんだ？？とか



そういう年の差を感じるようなことを毎回聞かれるし、聞かれるの自体嫌だった




真「あのさ、A」




でも、この日だけは違った



真「Aもエマもマンジローもケースケもどんどん大人になっていくんだ」



『そーだね』



また来たよこの手の話


そう思った



真「Aやエマを除いてアイツらはきっと大きくなるにつれていまよりもやんちゃになる」



『そーかな？』



何が言いたいんだろうそう思いながら耳を傾けてた



真「だからさ、アイツらをちゃんと見ててくれるか？」



『私が？』



なんでアイツらなんかのこと…



真「そんで、ダメな時はダメだって教えてやってくれ」



いつの間にか食べ終わっていたスイカを片付けながら優しい顔でそう言った




真「Aにしか出来ないことだからな」



そんなことを好きな人に言われてしまうと



『うん、約束するよ』


そういうしか無かった



真「ありがとなA」



わしゃわしゃと撫でられる心地良さに目を瞑る




それから先もこうやって馬鹿な幼馴染を注意しながら私は真一郎くんにほめてもらう




そう思ってた



だけどこの世界は優しくなかった




あの約束から数日後真一郎くんは亡くなった




理由は知らなかった




誰も言いたがらないしましてや私は身内な訳でもないからズケズケと土足で踏み入れることは出来なかった




やっぱりはじめは初恋で大切だった人を失ったショックから立ち直れなかった



でも、私より辛い立場にいたマイキーやエマを放っては置けず自分を奮い立たせて立ち直った




あれから2年たった現在



その約束を今思い出した



タ「おーい、Aちゃん？？あの、大丈夫っすか！？マイキーくん！！」



マ「ん？A〜。寝てんの？？」



『んーん』


マ「お、やっと動いた」



何故か忘れかけていた




最後に交した真一郎くんとの約束



『タケミっち。なんかありがと』


タ「え？あ、はい。どういたしまして？？」



マイキーやドラケンがタケミっちに真一郎を見たという気が何となくわかった




ド「なんかあったか？」



『いや、懐かしいものを見ただけ』



ド、マ、タ「「「？？？」」」

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