幼馴染なはずだった【佐野万次郎】

14.なんだか変なの ページ15

小指がズキズキと痛みながらしばらく歩いた




周りの人も危ない人を見るような目で私を見る



そんな目で見ないでよ




悲しくなって近くにあったベンチに座り込んだ



そして無性に会いたくなった




ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ




？「…なに」



『っ…おねがいっ迎えに来て』



溢れる涙が止まらない



？「は？お前泣いてんの？」



『いいから！恥ずかしすぎてしにそうだから迎えに来てよっ…』



ヒクつきたがらそう訴えると



？「すぐ行く。そこで待ってろ」



そういって電話が切れた



そしてしばらくたってあの安心する音が聞こえた




ﾊﾞﾌﾞｰｰｰｰｰ



『マイキー…』



マ「A！何があった！おい！！」



バイクを止めてすぐ駆け寄ってくれるマイキー



『そんなに怒らないでよ！！！』



少し止まっていた涙もマイキーを見ると直ぐに溢れ出した




マ「あいつは？サトウと一緒じゃないねぇの？」



その名前すらもう聞きたくない



『もううるさい！』



自分から呼んどいたくせに八つ当たりしてしまう




マ「あいつ…！なんでお前は靴履いてねぇんだよ！」



そう言ってどこかに行こうとする マイキーを引き止めるため


マイキーのブルゾンの裾をギュッと握りしめる



それでも一向に止まらない私の涙を見てマイキーはため息をついた



マ「わかったから」



握っていた手を剥がしブルゾンを脱いで私の顔を被せた




『うわっ』



何すんの！と言おうと思ったけど多分周りから泣き顔が見えないようにしてくれているだと察した




そして



ギュッ



そのまま私の肩を寄せて抱きしめ背中をトントンとリズム良くたたいてくれた


『お触り禁止だって言ったのに』



マ「毎日出歩いて心配かけんな！もう男と会うな！それが無理なら引きこもってろ！」


いつも以上に食い気味なマイキーに心臓はうるさくなる




バッとマイキーを引き離してかぶされていたブルゾンを取る


『誰と会おうと私の勝手でしょ？なんで抱きしめるのよ！』


座っていたベンチから立ち上がりそう言い放った



「お触り禁止だっていった！」



マ「ならしっかりしろよ！毎回俺のいない所で泣かされて！」



『だって！』



マイキーの言葉を遮り本音を漏らした



『ドキドキするの！』



マ「え…」



『ドキドキするの。抱きしめられるとときめくし…私、なんだか変なの』



そう言うとマイキーは大きな目を更に見開いて固まっていた

15.変な意識→←13.聞きたくなかった

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す