太陽に照らされて2【日向翔陽】

62 ページ13

何とか看板を作り終え教室に戻った




教室につくと教室内も結構いい感じに進んでいた




翔「A！お帰り！」



先に教室に戻っていた翔陽は私を見つけるとすぐに来てくれた



『さっきはジャケットありがと！』



そう言って手に持っていたジャケットを渡す




翔「いや、A今日持ってきてないだろ？部活終わりだと結構寒くなるから着て帰ってよ！」




俺はどうせジャージで帰ると思うしと笑顔を向けてくれる





妹がいるからかこういうところは面倒見がいい



『じゃあお言葉に甘えて』





せっかく言ってくれたからという気持ちの半面



翔陽の匂いがするジャケットをもう少しだけ持っていたいと思った



だから私はそのまま素直に受け取った




帰りのホームルームまで教室はざわついていて



先生も来ていないから私の机で翔陽と話していた




翔「それにしてもさ、それ気付いてる？」



そう言って翔陽は私の顔を指さした


『え、なんかついてる？』



鏡を取り出して翔陽が指した場所を確認すると顔にペンキがついていた





『うっそ！！』




そんなにたくさんついているわけじゃないけどペンキはなかなか落ちない



夢中になっていて気が付かなかった




ハンカチで拭いてみたけどもう乾いていて取れない



もういいやとあきらめた私はそのままにしておくことにした



翔陽はAがいいならいいけどなんて言いながらずっと笑ってる




恥ずかしさもあり笑顔が向けられているうれしさもあり




どんな顔をしたらいいのかわからなかった





その後先生もきていつも通りホームルームを終えた後部活に向かった





翔「Aが来てから試合とか祭りとか文化祭とか楽しいこといっぱいだな」




体育館に向かう道中そんなことを言ってきた




『そうだね。こうやって楽しめてるのも翔陽のおかげ！ありがとう』




初めて会ったのは親つながりだったけど勉強を教えることになってからぐんと距離が近づいて



いつの間にかこんなにもいろんな経験が出来ている





翔陽ともっと一緒にいたい



そう感じると同時にこの前孤爪さんに言われたことを思い出した



翔陽を振り向かせるミッション





もうすぐ学校では文化祭が始まる



よし




『ねぇ翔陽！あのさ、文化祭のことなんだけど一緒に回ってくれますか？』

63→←61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す