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《Moon》
新しい地で、新しい生活が始まった。
その始まりの日に、僕は寝坊して少し遅れての登校になってしまった。
Teacher「とりあえず、空いてる席に座って」
初めて見る顔しか並んでいない、新生活の場所。
僕は窓際にあった空席に近づいた。
隣には女の子が座っていて、僕を見ている。
目があまり良くないので、目を少し細めて、その子の顔を見た。
素朴で、至って普通の女の子。
…僕から、興味を無くしたように顔ごとそらされた。
少し怒っているようにも見える。
それからすぐに、始業式の為に体育館へ移動して、長い話を聞く退屈な時間が始まった。
…ここ最近は、引っ越しの準備やら何やらでずっとバタバタしてたから、こんな退屈な時間もたまにはいいかも。
……つんつん
『！』
一瞬、意識が飛んだ。
どうやら寝てたみたい。
……隣の、さっきの女の子が起こしてくれたのだろう。
…何て声を掛ければいいのか、わからない。
僕は静かに、視線でアピールをした。
しばらくして彼女が僕の方を見た。
…少しびっくりしたような表情。
この女の子は、表情がコロコロ変わる…
『(すみません)』
口パクでそう言ってから、すぐに僕は前へと向き直った。
始業式が終わり、クラスでのHRの時間となって自己紹介をする事になった。
「…ユ・Aです。宜しくお願いしまーす」
僕の隣の女の子の名前が分かった。
"A"さんか。
次は僕だ。
『…ソウルから引っ越して来ました、ムンジョンオプです』
制服は皆と同じ。
皆はやっと僕が転入生だと気付いたみたいだ。
仲のいい人ができるといいけど…
自己紹介が全員終わり、明日の事を聞いてHRは終わった。
クラスメートは僕に近寄ってくる事なく、サーッと帰って行く。
前いた学校でも、僕は近寄りがたい存在なのか、人が周りに寄って来なかった。
「…よいしょっと」
…教科書？
Aさんは、何故か分厚い教科書を何冊か持ってきていた。
明日が授業なのに？
「…あの、何ですか？」
『…教科書…』
僕が小さく声を漏らすと、彼女は笑った。
「っふは」
…本当に、よく表情が変わるな。
かと思うと、ぱっと笑みを消して彼女は"友達が待ってる"と言って慌てたように教室を出て行った。
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永洙(プロフ) - ishtark1979さん» オプペンさんに読んで頂けて嬉しいです…！これからキュンキュンして貰えたら幸いです；＿； (2018年4月28日 19時) (
レス) id: 90b2e19f22 (このIDを非表示/違反報告)
ishtark1979(プロフ) - オプペンです。更新楽しみにしてます。 (2018年4月27日 23時) (レス) id: 49e0e74775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永洙 | 作成日時：2018年3月23日 13時
