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銃声が響いて思わず目を開ければ、Aは撃たれて居なかった。それどころか、縄で縛り付けられてたのに解かれてるし、さすがスパイ…。
Aは女1人で手下の男10人ほどをフルボッコにして、ドユンって奴を背負い投げして回し蹴りして…、みたいな事をしてからダッシュでこっちに来た。
「逃げるよ…!」
『え、ちょ、A!』
3秒も経たないうちに縄が解けて、Aに腕を掴まれて走った。後ろからは銃声が聞こえて、狙われてる事に今更気づく。
「チッ…、部屋無いし…。」
『あっ、俺来る時奥の部屋見た。
なんもないとこ。』
「あそこか。」
Aのこんな汚い言葉を聞いたのは初めてでめちゃくちゃ焦ったけど、空き部屋に入ると、いろんなところから声が聞こえてきた。
「とりあえずここに隠れてて」
『ちょっと待って!Aはどこ行くの!』
「行かなきゃ…。」
『待って。男のくせに情けない事言うけど、どこにも行かないで欲しい。俺、Aを助けに来たのに…、足で纏いになって…』
「あぁもう今はネガティブやめてこんな状況で! ここに居るから…。てか何でここが分かったの?」
『テヨンさんが教えてくれた。』
「テヨンの奴…。」
今までに見た事が無いくらい、Aは焦ってて、けどかっこよかった。今こんなこと言ったら絶対怒られるけど。
その時、俺たちがいる部屋の鍵をこじ開けようとする音が聞こえた。
「…くそ…。ジェヒョン、窓開けて。」
『えっ、あ、うん。』
Aに言われるがまま窓を開けて下を見ると、だいぶ高いことに気づいた。それと同時に、Aは何やら腰に巻き付けて、外に繋がる手すりにも巻いた。
『ま、まさか…。』
「そのまさか。ジェヒョン。抱きしめて。」
『えっ、ちょ、い、今…?』
「何照れてんのよ。言い方が悪かった。掴まって。」
Aに言われたとおり、ハグするように抱きしめると、手すりに足をかけた。
「目瞑ってて」
『俺、吐くかも…』
そんな事言ったのに無視して一気に降下したA。
気絶寸前なんだけど、さすがスパイ…。
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作者名:Jane | 作成日時:2017年2月5日 21時