# ページ35
*No side
伏「(……Aさん。
いつもはかわいいくらいなのにやっぱり頼りになる)」
釘「今 Aさんって…」
虎「津美紀の姉ちゃん無事だったか?」
通話が終わったのを見計らい、声をかける釘崎と虎杖。
しかし伏黒は内容をぼかして、先に二人を帰そうとしていた。
伏「問題ない。
それより任務の危険度が吊り上がった。この件は他の術師に引き継がれる。オマエらはもう帰れ」
「「??」」
虎「オマエらって、伏黒は?」
疑問に思うのも当然だが、なんとか誤魔化して二人を車に押し込む伏黒。
伏「俺は武田さんに挨拶して帰る。
ほら行け!!」
*
二人を車に押し込んだ後、今回の補助監督である新田から聞いていた情報を思い出しながら八十八橋の下まで一人歩いていく伏黒。
伏「(術式を付与した領域を延々と展開し続けるのは不可能だ。
となるとこの結界は少年院の時のような未完成の領域だ。今回は逆に助かった。
"帳"の必要がない)」
橋の下まで到着し、下から見上げる。
するとその時、背後から居るはずのない声がした。
釘「自分の話をしなさ過ぎ」
虎「だな」
しかし声が聞こえたにも関わらず、伏黒は振り向かない。
そんな伏黒に二人は更に声をかけた。
釘「ここまで気付かないとは。
マジでテンパってるのね」
虎「別に何でも話してくれとは言わねぇけどさ。
せめて頼れよ。友達だろ」
その言葉に、先程Aから言われた言葉を思い出した。
───『あと! …こんな時くらい甘えろ! 前から思ってたがお前は遠慮しすぎ!!』
伏「津美紀は寝たきりだ。この八十八橋の呪いは被呪者の前にだけ現れる。
本人が申告できない以上、いつ呪い殺されるか分からない。
だから、今すぐ祓いたい」
思うところがあったのか、素直に胸の内を明かす伏黒。
それを聞いていた釘崎は、「だからさっきAさんが」と納得していた。
伏「でも任務の危険度が上がったのは本、」
釘「はいはい、もう分かったわよ」
虎「はじめっからそう言えよ」
二人は任務の危険度など気にしないとばかりに、頑なに振り向かなかった伏黒を追い越して、先に進んでいく。
それを見た伏黒は、俯く顔とは対象的に表情は少しだけ微笑んでいるように見えた。
*
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鈴奈(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!あんまり見かけなかったのでどうせ書くなら推しと仲良くしてほしくて…!!ちょっとずつな更新ですがまた見にきてくれると嬉しいです! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 雪マカロンさん» ありがとうございます〜!ちょこちょこ更新頑張ります! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!推しの狗巻先輩と相棒的な立ち位置は嬉しい!更新頑張ってください (2021年2月24日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 続編おめでとうございます!これからも、更新頑張ってください! (2021年2月24日 13時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるととても書く気が湧きますね!!頑張って絞り出します! (2021年2月22日 22時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年2月6日 15時