【呪術廻戦】圧縮系呪術師 弐【男主】

#19 ブレーキとアクセル ページ30

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五「ど？ 記憶にない？
あの時気絶する前に術式使ったの」



記憶を遡っていた俺の様子を見計らって悟が声をかけてきた。



『それは… 覚えてる。
でも あの後誰も何も言わなかったから、俺の術式は中途半端に終わったものだと…』


五「ところがどっこい、あの呪霊にトドメ刺したのはAなんだよね〜」



「あの状態で僕を守ろうとしてくれたってことでしょ？ 嬉しいなぁ♡」と悟はデレデレしている。



『…どう、なったんだ。あの呪霊は』



聞くのが怖い。

悟の口振りから察するに、今のようにキューブに【変換】したわけではないのだろう。



五「んー…、そうだね。
呪力に圧縮されて押し潰されたって感じかな」



「僕のと少し似てたかも」と悟は続けた。



五「僕が思うに、今のAは術式にブレーキをかけちゃってるんじゃないかな。無意識に」


『ブレーキ…。 抑えてるってことか？』


五「確かにキューブに変換するのも使い道は沢山あるよね。

でもさ、手加減して死んでたら意味なくない？

そういうのは相手に勝てるようになってから。
まずは死なないようにするのが先じゃないかな」



全くもってその通りだと思った。


今回の交流会襲撃の件で痛感したが、特級レベルに俺の【我楽多(トラッシュ)】は通用しないに等しい。

発動条件がバレたら一気に使いにくくなるのが欠点でもあるのだ。



五「その無意識にかけちゃってるブレーキをさ、場合によってはアクセルに変えてみたら？
今のAなら、簡単に切り替えできると思うよ」





…ブレーキを、アクセルに。





部屋に転がっていた学長の訓練用呪骸に意識を向ける。


いつもキューブに【変換】する時よりも荒々しく、【分解】に近いイメージで発動してみた。


＊

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