#18 あの日と追憶 弐 ページ27
*
「もう一体増やしましょう!」
「ハハハハハ! 怖いのか? 浅葱家の次期当主がこれくらい祓えなくてどうするんだ! この芋虫めがっ!!」
──クスクスッ
──ハハハ
──ザワザワ
───あれ、なんでこんなことになってるんだっけ?
…ああ、そうだ。
ボクには関係ないからって、今日の訓練になって…。
そしていつもみたいにお仕置きされることになったんだ。
でも、母さまが処分前の呪霊を引っ張ってきて───、
指南役に"呪霊と一緒に"結界に閉じ込められたんだ。
「お仕置きが嫌なら今まで教えた事を活かして此処にいる呪霊を祓ってみろ」って。
ボクの術式について教えられたことなんて一つもないくせに、偉そうにマウント取りやがって…っ!
今のボクが出来るのなんて呪力を纏った体術くらいだ。
それも子供の体格じゃたかが知れているし、主にお仕置きが少しでも痛くならないように防御や回避に意識を割いていたし。
つまるところ、どうあがいても詰みだ。
ボク一人でこの数の呪霊を相手に出来るわけがない。
母さま達にその気があるかは知らないが、今日ばかりは死んでしまうだろうな…。
というか浅葱家の者達も無事では済まないだろう。
調教前の呪霊をこんなに解放して…、自分達で相手に出来ると思ってるのかな。
馬鹿な人達。
…まぁ、ボクにはもう関係なくなることか。
───あぁ、それでも… ボクは認めてほしかったのか。
母さま達に。
*No side
──浅葱家本邸・中庭
十を超える人数の大人が中心にある結界を眺めて下卑た笑みを浮かべている。
中に閉じ込められたまだ七歳の子供・Aと、複数の呪霊。
呪霊の中には飼い慣らされたものもおり、外から眺めている者らが意図的に襲わせている。
術式を満足に扱えないAは、傷を増やしながらも懸命に逃げ回っていた。
その様子を見世物を見て手に汗握り、興奮する子供のように眺めているだけの大人たち。
*
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鈴奈(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!あんまり見かけなかったのでどうせ書くなら推しと仲良くしてほしくて…!!ちょっとずつな更新ですがまた見にきてくれると嬉しいです! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 雪マカロンさん» ありがとうございます〜!ちょこちょこ更新頑張ります! (2021年2月25日 0時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです!推しの狗巻先輩と相棒的な立ち位置は嬉しい!更新頑張ってください (2021年2月24日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 続編おめでとうございます!これからも、更新頑張ってください! (2021年2月24日 13時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるととても書く気が湧きますね!!頑張って絞り出します! (2021年2月22日 22時) (レス) id: 40c2c25718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年2月6日 15時