【呪術廻戦】圧縮系呪術師【男主】

#11 体質と誇らしい ページ48

＊


この呪いを解放しようとすると思い出すのは、この呪いのせいで苦しめられた幼少期。


──決して少なくはない一族総出で虐げられていたあの日々。


それでも、この体質でなかったら"今の俺"はいなかっただろう。
みんなと笑って、泣いて、辛くても乗り越えて行けるようになった。

だから───、



『…今なら 字の通り呪いでしかなかったこの体質にも、少しは感謝できる気がする。

みんなを守る為に使えるなら、誇らしいとすら思える』



だから俺は解放す(や)るよ、悟──。







『【再構築(リストア)】』



黒いキューブをリストアすると、懐かしい感覚が蘇った。



この世に存在する全てのものから狙われる感覚──、と言っても誰にも伝わらないだろうが。


この体質こそが、俺の産まれながら持った"呪い"…、




" 天 与 呪 縛 "





＊No side



【天与呪縛】───。


自らが自らに科す通常の"縛り"とは違う、生まれながら肉体に強制された"縛り"。



浅葱Aの肉体に科されたその"呪い"は、一族の因果によるものとも言える。


相伝術式である"悪しきものを寄せ付けない"性質を保たせる結界術。

一族のほとんどが扱えるその術式を継げなかったAは、一族全ての者の因果を一手に引き受けたかのように真逆の性質を持つ体質に産まれてしまった。すなわち───、








究極の"被虐体質"





周囲の敵意(ヘイト)を強制的に自身に集めてしまう体質。

敵であろうと味方であろうと関係なし──、

はたまた自身に敵意を持っていなかった者であろうと"その気"にさせてしまう強制力。

これを因果のせいにせず、なんとすれば良いのか。


幼い頃より術式が使えないだけで落ちこぼれ扱いされていたAは 成長と共にその呪いの強制力も増し、その体質のせいで悪しきもの… つまりは呪霊からも狙われるようになっていった。


周りからは"異端児"と蔑まれ、それを嫌った一族の者には虐げられる。


敵意を持たぬ者も体質のせいで変わっていって(変えて)しまうAに、味方は居なかった。


＊

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