【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ10)

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所長は「確認しておかなきゃいけない事がある」と言い、ユーマくんを名指しした。

…？
何か特別な事項でもあっただろうか？

昨日の時点では彼は見習いなのだし、探偵特殊能力だってまだ仕上がっていないのかもしれない、という意見でまとまったはず。

ヤ「さっき、保安部の連中が喋ってるのを聞いて、オレも初めて知ったんだが…

記憶喪失なんだって？」

デ「はぁ！？記憶喪失！？」

デスヒコくんが私達の声を代弁するように驚く。

ユ「は、はい… そうみたいなんです。アマテラス急行に乗る直前までの記憶がなくて…」

ユーマくんがしおらしくきり出すと、フブキちゃんまで自分も記憶喪失だと言い出した。

でもフブキちゃんの場合は、物忘れが激しいだけ、という事だった。

デ「話をややこしくすんじゃねーよ！」

フ「すみません…」

『まぁまぁ…』

私がデスヒコくんを宥める傍ら、ハラちゃんが詳細を質ねる。

ハ「それで？記憶を失った原因は？
アマテラス社にやられたのか？」

ユ「いえ… そういう訳でもないみたいなんです。気付いたら駅にいて…」

『…本当に記憶がないんだね』

デ「それでよくアマテラス社の妨害を切り抜けられたな」

ある意味で感心してしまっていると、ユーマくんの隣に腰掛けて(？)いる幽霊(仮)が唐突に喋り出した。

死「それでいいよ。オレ様ちゃんのコトを言うのは契約違反だからね」

…口振り的に、また無言のユーマくんと意思疎通があったのだろう。

それにしても、契約って？

違反したらユーマくんはどうなってしまうの？

誰かに知られる事が違反になるなら、私は彼にあの幽霊(仮)の事を確かめる事は出来ない。

ユ「たぶん… 運が良かったんだと思います。最後は所長さんにも助けられましたし」

ヤ「まぁ… その貸しは働いて返してもらうとして…
お前さんは、自分自身の素性も覚えてないのか？」

それって……

『彼は、自分が探偵だったのかどうかさえ覚えていないんじゃないか… って事ですか？』

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