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デ「うぅ… もうメチャクチャだ…」
…と、ここで。頭を抱えて嘆くデスヒコくんに、今まで静観していた見習いくんが意見を提案した。
ユ「あの… 使ったマッチ棒の数を数えてみたら、どうですか?」
その提案に視線を灰皿へと向けるけれど… どう見ても数えられるような有様ではないほど、マッチ棒の山が出来上がっていた。
7本でこんな山が出来るわけはないから、賭け事の前から灰皿にはマッチが溜まっていたんだろう。
……所長、やっぱりアナタじゃないですか。
ヤ「ハハ… なかなかやめられなくってね」
みんなからの視線に、居た堪れなさげに頭を掻く所長。
その空気を壊すように、フブキちゃんが声を上げた。
フ「あっ、思い出しました! 3の次は4です、4!
…あれ? でもチョコは1個しかありませんね?」
デ「さっきまで4個以上あったよな!? また食ったのか、お嬢!」
『…というか、今まさに食べてる… かな』
また頭を抱えてしまうデスヒコくんに、「だって美味しいんですもの」と悪びれる様子もなく フブキちゃんは目をキラキラとさせて幸福感を態度に示した。
ハ「…とにかく、金は僕が貰うぞ」
そう宣言してハラちゃんが再びテーブルの上のお金に手を伸ばそうとした時──、
ヤ「そこまで! ここは所長権限でノーゲームだ! 以降、ギャンブルは禁止!
お前達、ここがカナイ区だってわかってる!? 保安部の連中に揚げ足取られるような事は避けてくれ!
清く正しく! 目立たず大人しく!
それが夜行探偵事務所の方針だ! わかった!?」
誰も返事をしない中、気まずくなって自分から場を宥める為に一役買った。
『まぁ、過ぎた事はもういいじゃないですか。
それより、彼を紹介してくださいよ』
片手で見習いくんを指し示すと、所長は切り替えるように咳払いをひとつ。
それから見習いくんの紹介を始めた。
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2023年7月12日 1時