番外編・子供の神隠し4 ページ47
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ヴィ「…Aちゃん、カッコよかったよ」
『う…、照れるからヤメテ。
それより、アナタ 大丈夫？』
子供に話しかけると、今度こそ返事が返ってきた。
どうやら何故此処に居るのか、記憶が曖昧のようだ。
私達がご両親から迷子探しを頼まれた事を伝えると、一緒に着いてきてくれると言ってくれたため、空いている手を差し出して 手を繋いだ。
喜んで手をとってくれたその子は、私が反対側の手をヴィヴィアくんと繋いでいるのが気になったのか、こう言ってきた。
「お姉ちゃんとお兄ちゃんは仲良しさんなんだね！」
動揺して返事ができないでいた私に代わって、ヴィヴィアくんが答えた。
ヴィ「うん、そうなんだ。
だけど私は彼女ともっと仲良くなりたいんだ。どうしたらいいと思う？」
…子供相手に何を聞いているの！
真剣に悩んでくれているその子に見えない位置で、繋いだ手をヴィヴィアくんに軽くぶつける。
今朝と同じように羞恥に染まった顔を隠す事は、両手の塞がった今は難しそうだ。
＊
その後 無事に子供をご両親の元に送り届け、事件は無事解決。
なんだか気疲れしてしまったから、ヴィヴィアくんには悪いけど 図書館に案内するのはまた今度にさせてほしい… そう伝えた。
すると──、
ヴィ「気にしなくて大丈夫だよ。元々Aちゃんと一緒にいたいから着いてきただけだし。
あぁでも… 次も二人きりで案内してくれるなら、やっぱりお願いしようかな」
またこちらが勘違いしてしまうような事をサラリと言われる。
しかもホテルに戻ってすぐに膝枕を要求されて、エントランスのソファでその要求を叶えていた。
穏やかな時間が流れる、その空間に安心して息をつく。
いつも通り目を瞑っているヴィヴィアくんに油断して、頭を撫でようと片手を持ち上げた時。
その手を掴まれて、閉じていた瞼が開き、視線がかち合う。
ヴィ「…このまま、私達だけの時間が続けばいいのに」
『…、』
何も言えずに、また顔だけが熱くなっていく。
何を考えているか読み取りづらいその目から逃れるように、もう片方の手で そっとヴィヴィアくんの目を覆い隠した。
──あぁ、さすがにもう… 気付かないフリも限界かも。
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作者名：鈴奈 | 作成日時：2023年7月12日 1時
