【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ46)

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番外編・子供の神隠し3 ページ46

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もし今回の子も同一犯による犯行だとしたら、急がなくては。

取り返しのつかない事になる。

寄り道せずに、真っ直ぐと同じオーラの元へ歩いて行く。

探偵事務所への道のりと同じ、地下への階段を降った先だった。

『！？』

突然の立ち眩み。

ふらついた私を、ヴィヴィアくんが抱きとめてくれて。

慌ててお礼を言って、自身の力で立とうと力を入れた。

ヴィ「大丈夫？」

『うん…、ちょっと体がビックリしただけだよ。それより、この強い思念は…』

ヴィ「向こうの通路から感じるね」

ヴィヴィアくんも私の探偵特殊能力と同じように、自身の能力の副作用で魂や霊体といったものを感じたり、見る事ができる人だ。

二人で改めて手を繋いで、通路の先へと進む。

すると、鉄格子の扉の先にある階段に、件の迷子のお子さんが居た。

…よかった、間に合った。

この感じからして、誘拐犯はおそらく生者ではない。

連れて行かれたら最後、他の子達と同じように帰って来れなくなっていただろう。

『ねぇ、アナタ… 子供がこんな所に居たら駄目よ。ご両親の元へ帰りましょう？』

…話しかけても反応がない。

訝しんでいると、斜め後ろに立っていたヴィヴィアくんに腕を引かれた。

ヴィ「っAちゃん！」

『きゃっ』

珍しく焦ったような声で私の名前を呼ばれ、またもヴィヴィアくんに抱きとめられる。

状況を確認しようと鉄格子のほうを見ると、子供より上の段に人型の思念が浮かんでいた。

──あの思念体が、この事件の誘拐犯ね。

ぶつぶつと小声で何かを喋っている内容に耳を澄ます。

どうやら、このカナイ区で純粋無垢な子供が育っていくのが可哀想で、見ていられなくて、誘拐という行動に出てしまったようだ。

子供の事を考えてあげられるのは心が優しい証だけれど、だからって本人の意思関係なく勝手に誘拐していたのでは、貴方の懸念するカナイ区の治安の悪さに貢献しているだけ。

そんな感じの事を伝えて、私達探偵がカナイ区の事件を暴いてみせる… そう決意を見せたら、「その子を頼む」と子供を託された。

そして思念体は姿を消した。

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