【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ40)

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番外編・ひったくり犯を捕まえよう2 ページ40

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いつも通りに一度瞼を閉じて、視界を切り替える。

普段から、視ようとしなくても強い思念は視える。

けど、初めて視る他人のオーラや弱い思念は、きちんと特殊能力を使わないと視る事が出来ない。

今回はこの女性のオーラを記憶して、まだ近くにいるかもしれない犯人、もしくは女性の鞄を直接探す。

ユ「うわぁっ！ど、どうなっているんですか！？」

『私の探偵特殊能力が【念視】というのは、前に説明したよね？
この能力では、他者から出ている念をオーラとして視る事も出来るんだ。
そしてそれは、使い方を変えればこんなふうにも使える』

ユーマくんの手を握ったまま、同じオーラを感じる方へ歩き出す。

『前の事件の時は、同じ念を持つ人の触ったものを特定するのに使ったけど、慣れれば少し離れているところにある場合でも感じ取ることが出来るようにもなる。
…集中して。もうすぐだよ、何か感じない？』

ユ「……あ、」

ユーマくんは顔を上げると、曲がり角の先をそっと覗き込んだ。

ユ「あの男性…！」

『うん。女性の証言とも外見が一致しているね。
あの人が持っている、明らかに女性ものの鞄に注目して視てみて？』

ユ「凄い…！さっきの女性のオーラと同じものを感じる」

『でしょ？
こうやって探し物にも役立つ能力なんだ』

ニコ、と笑い握っていた手を離した。

『さぁ、鞄を返してもらおう』

＊

結論から言うと、鞄は無事返ってきたし、私が受けていた依頼の指輪も、彼が持っていたので返してもらった。

…だけど、ひったくり犯を捕まえる事は出来なかった。

今回のひったくり犯は、保安部のせいで私生活を追いやられ、食べる物にも困っていたそうだ。
それでひったくりを繰り返していた。

同情した私達は、彼を捕まえる事なく見逃した。

『…今回の事は、この"3人"だけの秘密… ね？』

死「しょーがないなー」

ユ「はい…」

依頼は無事完了したけれど、なんだかやるせ無い気持ちになった日だった。

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少しフライングですが、能力の説明になれば… と思い、アップします。

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