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1時間くらい経って、ユーマくん達がやって来た。
ユ「ハララさん、Aさん…
どうか力を貸してください！」
死「むむっ、ご主人様が頭を下げるなら、オレ様ちゃんも一緒に頭を下げないと!」
礼儀正しく90度のお辞儀をしたユーマくんに倣って、幽霊(仮)もスライムのように床に張り付いて「オレ様ちゃんからもお願ーい！」と言った。
ハ「…想定より30分ほど遅かったな」
『とりあえず、座ったら？』
空けてあった対面側の席を薦める。
ユーマくんが座ると、ハラちゃんは早速支払いについて尋ねた。
ハ「それで、支払いの用意は？」
ユ「今、手持ちはないですけど、そのうち必ず…」
ハ「…いいだろう、すぐにとは言わないさ。ただし、必ず550万と1650シエン払って貰うぞ」
さっき伝えた金額から値段が上がっている事に、ユーマくんは困惑している。
それに対して、ハラちゃんは 自分達を待たせた時間分の追加と、コーヒー代だと言った。
ちゃっかり私のカフェラテ分も入っている。
死「このヒト、やっぱり悪魔だ…! 金の悪魔だよ…! オレ様ちゃん、このヒトを"悪魔ちゃん"って呼ぶコトにするから!」
ハ「強制はしない…
依頼をするもしないも、あくまで君次第だ」
こんな言い方をしているが、ユーマくんが悩んでいる間もまた更に値段は上がっていくに違いない。
それは可哀想なので、先に教えといてあげる事にした。
『ユーマくん、依頼するつもりなら早い方がいいよ。どんどん上乗せされてくから』
ユ「えっ！？
〜〜〜わ、わかりました！ お支払いします！ 550万と…1650シエンですね！？」
ハ「決まりだな、賢明な判断だ。
他人の為に尽くす義理はないが、支払われた依頼料に誠意は尽くす…
それが、探偵としての僕の矜持だ」
『誤解されやすいんだけど…
例えば、他人に無償で尽くす事に疑念を持つような疑り深い依頼人とかもいるから、わかりやすい信用の目安にもなるの』
私のフォローに、ユーマくんは納得したように頷いた。
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作者名：鈴奈 | 作成日時：2023年7月12日 1時
