【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ28)

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幽霊(仮)のノリツッコミを無視して、ユーマくんが追求してくる。

そろそろ口を挟んでもいいだろう。

ユ「あの… 彼が差し出した物では足りませんか？
ボール自体にはなんの価値もないかもしれませんけど、込められた想いは、何よりも貴いはずです」

『…私だけなら、それで妥協できたけどね』

苦笑いが溢れる。

ユーマくんのその考え方は、私と似ている。だからこそ、惜しい。

事件が起きたのが今日じゃなければ。

或いは、ハラちゃんと約束する前だったなら。

ユーマくんは私の言葉を聞いて希望を見出したのか、縋るような目でこちらを見てきた。

死「ご主人様! こっちのヒトなら押せばイケるんじゃない!? 如何にも押しに弱そうだもん!」

…散々な言われようだ。

しかし、ハラちゃんはそんな視線と態度が気に入らなかったのか、私を隠すように前に立った。

ハ「…そう思うんだったら、君がその依頼を受ければいい」

ユ「えっ？ボクが？」

自身だって、見習いとはいえ探偵を目指していたのだから。

そう言いたいのだろうけど、記憶を無くしているユーマくんに、それは酷な気がする。

それがわかっているから、そこから先は言わなかったのだろう。

ユーマくん自身は、その発想すらなかったのか、目から鱗、というように声が上擦った。

ハ「それとも、その少年の代わりに君が僕に依頼するか？
Aと二人きりの時間を邪魔するんだ、安くはないぞ」

『ハッハラちゃん！？』

それ言う必要あったかなぁ！？

他人(ヒト)に聞かれてしまい、思わず顔が瞬間的に赤くなる。

恥ずかしくて、両手で顔を覆うように隠した。

ユ「い、いくら… 払えばいいんですか？」

ハ「そうだな…」

ハラちゃんが金額の見積もりに私の分を含めるか視線で確認をしてきたので、そっと首を横に振った。

…私はさっきのボールの件で覚悟を見せてもらったし、ユーマくんにしても二人分を払うのは現実的に厳しいと思ったからだ。

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