【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ27)

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男の子は"お金"と聞いて驚く。

ユーマくんも同じような反応をしていた。

…あーあ、さっきハラちゃんから注意されたばかりなのにね。

「身の程知らずの正義感は身を滅ぼす事に直結する」って。

──優しさだけで、人は生きてはいけない。

ハ「僕は安くないぞ。
依頼は果たす、必ずな。それを可能にするだけの力と頭脳もある。
だから、もし君が僕を必要とするなら、その決意を見せてみるんだ」

「で、でも… お金は持ってなくて…
代わりにこれなら…」

男の子が取り出したのは、汚れた野球ボール。

ハラちゃんはそれを受け取って、眺める。

一見しても普通の野球ボールだが、この男の子からしたら、このボールが今一番大切な物なのだろう。

…私一人だったら、このボールで依頼を引き受けてもよかったんだけど。

ハラちゃんはボールをユーマくんに投げ渡すと、踵を返して歩き出した。

今日一日は、一緒にいると約束しているから。可哀想だけど、私もその後を追う。

ハ「話にならないな」

ユ「ハララさん、待ってください！
依頼… 受けないんですか？」

ハ「何故、受ける必要がある？
積まれたチップ以外に、人の心を読み解く物証はない」

ハラちゃんに対して、この辺りの信用問題に関する話はある種地雷と言ってもいい。

心の弱いところを曝け出す… その覚悟がないと、他人には振れない話題なのだ。

ほぼ関係値が0の状態で、踏み込んで欲しくはなかった。

…例えそれがユーマくんという、仲間であろうと。

…唯ハラちゃんを守りたいという、私のエゴだとしても。

ハ「その決意を証明するのに、相応の金を用意できないというのなら…
僕にとって、相手は存在しないのと同じだ」

死「エラソーなコト言ってるけど、結局、金目当てなだけじゃんね。こんなガキんちょから金を取ろうとするなんて、悪魔みたいなヒトだよ。 …って、死神のオレ様ちゃんが言うコトじゃないけど! きゃっきゃっきゃ!」

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