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2時間ほどだろうか。
まずは公共の図書館で過去の新聞記事を漁って。
気になる事件や、未解決事件をピックアップして記録する。
そんな単純作業を分担して繰り返し、ある程度情報が集まったら次は聞き込みへ。
集中していると、時間が経つのはあっという間だった。
ハラちゃんに そろそろ休憩しようか、と提案した時だった。
「おい、聞いて驚け！
さっき時計塔の前を通ったらさ、ちょうどクギ男が逮捕されるところ見ちゃったんだ！」
「え！ クギ男が！？」
"クギ男"、逮捕、さっき
聞こえてきた話に、思わずハラちゃんと目を合わせる。
二人で同時に頷くと、ハラちゃんは時計塔方面へ。
私は話をしている男性達に聞き込みを行うために別れて行動を開始した。
『あのー、突然すみません。
お兄さんのお話が聞こえて、気になっちゃって…。詳しい事を聞いてもいいですか？』
「いいけど、キミは？」
『あ、ごめんなさい！
でも 名乗るほどの者じゃないんです。
唯 クギ男の噂を聞いて、怖いなぁって思ってたので…。捕まったなら、もう怖がらなくて大丈夫だし… お友達にも教えてあげたいなって』
それらしい理由をでっち上げて、自身の正体は誤魔化す。
ハラちゃんとも話したが、聞き込みの際は素性を明かさない方針でいくことにした。
いつ、どこから、探りを入れている事が、保安部の耳に入るかわからないからだ。
男性は納得すると、詳しい話を聞かせてくれた。
逮捕時の状況や、どんな人相の人が逮捕されたかまで確認し、別れを告げる。
お茶に誘われたが『友達を待たせているので』と丁寧に断ると、潔く諦めてくれた。
ハラちゃんと合流する為に、走って時計塔までの道を進む。
時計塔の敷地前には人集りができており、その間を縫うように一番前まで躍り出た。
敷地内では、小さな男の子を庇うユーマくん。
それに群がる保安部。
二人に近づく保安部を物理的に気絶させるハラちゃんが居て。
相変わらず 惚れ惚れするほどの身のこなし…
って、見惚れてる場合じゃなかった！
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作者名：鈴奈 | 作成日時：2023年7月12日 1時
