【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ21)

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第1章連続密室殺人鬼クギ男ページ21

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刻々と、時を刻む音が…

雨音に紛れて溶けていく…

夜を奏でるのは、船を叩く水の音か…

それとも、誰かの運命にクサビを打つ音か…

密室の扉が閉じられる度…

ボクは、その扉を開ける理由を探す。

＊

朝起きて身支度を整える。

此処、カナイ区に来てからは、世界探偵機構が用意してくれたカマサキ地区のホテルに超探偵全員が滞在している。

部屋は一人一室だし、朝食・夕食付きだし。

但し、ユーマくんの部屋は用意されてなかったみたいで。

彼はヤコウ所長と同じように、船で寝泊まりする事が決まった。

メイクも終わり、残すところは髪を結うだけ。

…と、いう時に部屋のインターホンが鳴る。

鏡の前から立ち上がり、扉の鍵を外して開けてあげると、ハラちゃんが立っていた。

『おはよう、ハラちゃん。
もう少しで終わるから、中に入って待ってて？』

ハ「…あぁ」

ハラちゃんは「おはよう、A」と返してくれた後、踵を返した私の後ろに付いて部屋の中に入った。

再び鏡の前に座り髪ゴムを手に取ると、ハラちゃんが後ろから伸ばした手をその手に重ねてきた。

『ハラちゃん…？』

手はそのままに、後ろに立つハラちゃんを見上げる。

そのまま顔を固定され、唇にキスをされた。

…あっ朝からキス！？

そのまま後ろから抱きすくめられ、じわじわと顔が赤くなっていく。

小さい頃からしていた事でも、ハラちゃんの美しい顔が視界に入ると今だに照れを抑える事ができない。

…でも、こんな朝っぱらからなんて。

何か… 不安にさせちゃったのかな、私。

『ハラちゃん、寂しくなっちゃったの？』

私の首に顔を擦り寄せると、耳元で喋るハラちゃん。

ハ「…そうかもな。

Aは僕から離れていかないって、頭では理解している。
それでも、昨日のヴィヴィアとの距離は近過ぎて… 嫉妬した」

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