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ヤ「あぁ…なんでこんな事に…」
デ「おいおい、しっかりしてくれよ所長」
ヤ「嫌な予感はしてたんだ…
でも…まさかナンバー1まで出張ってくるなんて…
あぁ、もうっ…！
オレは静かに川の底に沈んでいたいだけなのに…！」
…所長は事勿れ主義なのね。
でも、ならなんで探偵なんて職業についたのかしら？
それも"世界探偵機構"という組織に所属までして。
探偵は、とある方面から見れば 無関係の事件に態々首を突っ込む一般人と揶揄される事もあるのに。
デ「なんだよ…そんなにヤベー話なのか？」
ヤ「あぁ…間違いなく命のやり取りになるぞ。
しかも、それが日常的に、カナイ区全体を巻き込んで行われる」
デスヒコくんと所長の会話を聞いて、ハラちゃんは だから？ と言うように口を挟んだ。
ハ「命をチップ代わりにするのには慣れている。むしろ、それくらいが"僕ら"にはちょうどいいさ」
腰に回した方とは逆の手で、私の髪を梳くハラちゃん。
意外かもしれないけれど、私だってそれなりに修羅場を潜り抜けてきてる。
"努力する"とは、そういう意味でもあるから。
その手を優しく持ち上げると、誓いをする騎士のように 綺麗な指先にキスをした。
ヤ「君らがそうでも、オレはそうじゃないから！ 誰がそんな事を望んでいるって言うんだよ！？」
「いっそ今の指令は聞かなかった事に…」なんて一人で忙しく悩む所長。
ヤ「やるしかないのかぁ…」
ユ「ヤコウ所長…」
ヤ「この街で起きる事件はすべて、アマテラス社保安部によって処理されている…
ほとんどの場合は連中の都合のいいようにねつ造されたり、隠ぺいされたりするんだ。
逆に言えば、彼らがそうやって隠そうとした真実が、"カナイ区最大の秘密"に繋がってるのかもしれない…」
ハ「彼らが隠そうとするもの…
未解決事件の中に手掛かりがあるという事か」
ヤ「だが、彼らの手によって真実を隠ぺいされた事件は、この街には山ほどある」
デ「じゃあ、オイラ達のやるべき事は決まってるじゃねーか！」
首を傾げるユーマくんに、デスヒコくんは自信満々に教えてあげた。
デ「未解決事件を片っ端からぶち壊してやんだよ！」
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作者名：鈴奈 | 作成日時：2023年7月12日 1時
