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ナ《今、諸君らがいるカナイ区には、恐ろしい秘密が隠されている…
私は、それを"カナイ区最大の秘密"と呼んでいる》
カナイ区最大の秘密…？
ナ《"カナイ区最大の秘密"は、カナイ区だけの問題ではない…
現在進行形で起きている"世界規模の未解決事件"とも関連している恐れがある…》
世界規模、ですって？
だからあんなに沢山の探偵達を動員させたの…。
ナ《そこで、諸君らに命ずる。
迅速に"カナイ区最大の秘密"を探れ。
"世界規模の未解決事件"を解決させる為にも》
《指令は以上だ》、そう言って締めくくろうとするナンバー1に、デスヒコくんが口を挟む。
デ「えっ？ それだけ？ もっと手掛かりとかは？」
ナ《諸君らは何の為に現地にいる？
探偵なら、手掛かりくらいは自力で見つけたまえ。
事前に情報を伝えたところで、余計な先入観を諸君らに与えるだけだ》
デ「わ、わかりました…」
確かに、ナンバー1の言うことも一理ある。
ナ《…世界探偵機構の理念は覚えているな？》
ナンバー1の言う"世界探偵機構の理念"とは、
【探偵はすべての謎を見逃してはならない。どんな真実であろうと必ず暴く】
【探偵はいついかなる時でも、事件の解決を第一に優先させなければならない】
【完璧な解決、完璧な推理の為には、すべての感情を捨て去るべき】
…という、研修中に毎日復唱させられた ある種、理想の探偵像のようなものだ。
ナ《いいか、諸君。謎とは人類の敵だ。
世界探偵機構は未解決事件の存在を許しはしない。
伶俐な英知と、不屈の精神で、必ず撲滅する。
そして、さまよえる被害者たちの魂を、真実という名の浄土へ導くのだ》
ナンバー1はモニターの中で立ち上がると、一層強い圧を感じさせる身振りで最後の一言を告げた。
ナ《誇り高き探偵達よ！ 掃討せよ！ この世のすべての謎を！》
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作者名：鈴奈 | 作成日時：2023年7月12日 1時
