【超探偵事件簿】悪夢のち白昼夢【RAINCODE】 (ページ16)

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ユ「えっと、こちら夜行探偵事務所…ですけど、ご用件は？」

ナ《諸君、ご苦労。全員揃っているな？》

モニターには、白髪でサングラスをし、顎髭を携えた妙齢の男性が映っている。

サングラスで目元はよく見えないが、モニター越しにも貫禄あるオーラは感じ取れた。

ナ《ふむ、生き残った探偵はこれだけか。
想定より少ないが… 顔ぶれを見る限り不足はなかろう》

デ「あぁ？なんだか偉そうだな！誰だよ、このじいさんは！」

ヤ「さぁ？オレも初めて見るよ」

『今まで連絡をとっていた方とは別人という事ですか？』

ヤ「そうだな、別人だ」

フ「では、間違い電話ですかね？」

…いや、さすがにそれはない。

世界探偵機構との直通電話だし、私達の顔を見て「不足はない」と判断していた。

つまり、誰にどんな事が出来るのか。
私達の個々の能力を把握している。

これらのロジックから導き出される答え。

それは、この人物が世界探偵機構の中でもかなり上層部に位置するという事。

ナ《あいにく、名乗る為の名前は、とうの昔に捨ててしまったが…

通称"ナンバー1"と言えば、諸君らも聞いた事があるだろう》

ナンバー1… ですって！？

ナンバー1と言えば、実質世界探偵機構のトップで、他の探偵達を束ねる存在。

でも…、

ハ「普段は姿を見せる事もない。故に、誰も素性を知らない。
探偵達の間では"ナンバー1"という通称だけが知られた存在だ」

ハラちゃんが記憶喪失のせいで事態を把握しきれていないユーマくんに説明しているが、まさにその通りで。

ほとんどの人間が姿を知らないナンバー1。

そんな人が私達に姿を見せてまで、連絡してくるという事。
それ事態が、今回の招集が大きな案件なのだという事を示唆している。

ナ《では、無事カナイ区にたどり着いた諸君らに、私からの指令を伝えよう》

…ごくり、と緊張から唾を飲み込んだ。

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