壹 ページ3
*
五「あ、A 早く離れたほうがいいよ」
『?』
乙骨くんの手を引っ張って立ち上がらせる。
すると悟から軽めに注意された。
すぐに手を離し、数歩距離をとる。
しかし数秒待ってみても何も起こらなかった。
五「あら?」
乙「里香ちゃんが出てこない…」
『あ、そういう』
多分乙骨くんが好きすぎて、彼に触れた相手や彼を害するものに反応して出てきてしまっていたのだろう。
……今までの人達には。
『悟さ〜ん? ボクの術式お忘れかい?
数ヶ月会わなかった間にボケた??』
五「ちょっとー、慇懃無礼!」
上の連中もお前にだけは言われたくないだろうよ、その言葉。
乙「神木先輩の術式…?」
おっと… 乙骨くんが置いてけぼりだった。
ここは自分から術式の開示をしたほうが、彼に憑く"里香ちゃん"にも更に有効だろう。
『ボクのは【想念術式】って言ってね…。
ま、簡単に言えばモノに
あまりよく分かっていなさそうな乙骨くんに笑みを一つ溢し、更に術式の開示を続ける。
『勿論 人に想いを込める…、
──いや、伝える… かな?
そういうことも出来る。これは謂わば"
そこまで説明してあげると乙骨くんは理解が及んだみたいで、「あ、僕と一緒に居る里香ちゃんに…」と納得できたみたいだった。
察しがいいんだね。
『うん、そういうこと!
里香さんに"悪意が無い"ことを念話で
自分以外に里香ちゃんと意思疎通出来る人がいた事に感心してくれたのか、乙骨くんのボクを見る目はキラキラとしている。
やめてくれないか!
出来て当たり前の事を当然のように褒めるのは!!(ご満悦)
乙「あれ? でも…、その術式で確かめるには 里香ちゃんからの返答が無いと無理ですよね?」
「僕でもまだ反応してくれない時があるんだけど大丈夫かなぁ…」と乙骨くん。
勿論この術式も便利だけど、今回の件で本当に必要なのは別の力───…。
五「今回の確認に必要なのは、術式じゃなくてAの"目"だよ」
そこは
*
12人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年4月25日 13時) (レス) @page9 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴奈 | 作成日時:2022年1月6日 1時