東卍の門外顧問はヒモ男です【東卍リベ】

尾行（武道side） ページ44

＊


マイキー君を背負ってファミレスを出たドラケン君を引き続き尾行する。


暫く歩いて行くと、とある病院の前で立ち止まってスマホを確認していた。


そのまま数分待つと、誰かが二人と合流した。





『よ、ドラケン。待たせてごめん』


ド「本当だわ、こっちはお荷物(マイキー)背負ってんだっつの」


『ふっ、またかよ(笑)』





現れたのはアヤノ君。


ドラケン君と二言、三言交わすと 背負われているマイキー君の頬をつついて起こしている。





『おーい、マイキー起きろ〜』


マ「ん…、アヤノ…？」


『そーですよー、お前の大好きなアヤノくん♡』


マ「…あれ、ケンチンは？」


『お前の乗り物になってるだろ』


ド「だぁれが乗り物だ！」





「おら、降りろ」と覚醒したマイキー君を背中から降ろすドラケン君。


この人達 本当に仲が良いんだな…。



先導するドラケン君に続いて、アヤノ君がマイキー君の手を引いて 三人は病院の中へ入っていった。



……俺も行かなきゃ！！



＊



マ「こんなトコになんの用なン？」


ド「……ちょっとな」





アヤノ君が受付で話している間、二人は後ろで静かに待っていた。

やがてアヤノ君が戻ってくると、二人を連れてエレベーターへ入っていく。


三人を乗せたエレベーターが止まった階を確認して、俺は階段でその階まで上がった。


天井から下がる案内板を見ると、【集中治療室】と記載されている。



誰かの見舞い…か？



そのまま歩いていくと、曲がり角の先の通路で立ち止まる三人が見えたので 咄嗟に角に身を隠した。

丁度三人が話しているところだった。





ド「パーの親友の彼女だ」



東卍の"パー"…って、愛美愛主との抗争の原因だ。



『…頭を7針縫って歯も折れてる。左目は網膜剥離。体中打撲で肋骨折れてて、今のとこ5日間目を覚ましてないらしい。

…一般人(ふつう)の女の子ならしなくてよかった怪我だ』



重苦しい空気を背負うドラケン君とアヤノ君。

アヤノ君は拳を握り締めて睨むように目を細めている。


マイキー君だけは無表情で、何を考えているか分からない。



俺の頭には先日の集会で三ツ谷君から聞いた話が思い浮かぶ。



"三「パーの親友は愛美愛主に袋叩きにされて、更に目の前で彼女レ イ プされて──」"



アヤノ君の言う通り、何も悪くない女の子が負う怪我の程度じゃない。


＊

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