犬?猫? ページ3
*
正直 俺を慕ってくれるはるちがかわいく見えないと言えば嘘になる。
……が、この男は初期の印象が強すぎて今更敬語を使われると違和感がある。
俺にまで教えた"猫被り"をしなくてもいいのにな。と少し寂しさも感じるのだ。
それに、俺的にはどちらかと言うとはるちは犬に見えるしな。
『…また来てくれたの?』
春「はい! Aくんが困ってないかなって、」
気がついたらバイク運転してました、なんて言って笑うはるち。
俺専用センサーでも付いてんのかな??
『いつも言ってるだろ?
お前はもう伍番隊の副隊長なんだから俺に尽くさなくていいって』
春「それなら俺だって。空き時間を好きに使ってるだけだっていつも言ってるじゃないですか」
ムッとして言い返してくるはるちに少し意地悪してやることにした。
『…そんなに俺と一緒に居たいの?』
首に腕を回し、耳元で内緒話をするように小さな声で囁く。
ピクッと小さく肩を跳ねさせたはるちは、仕返しとばかりに俺の腰に腕を回して体を密着させてきた。
そして俺がしたように、俺の耳元で喋り出す。
春「俺は貴方が考えてるよりずぅっと、Aくんと仲良くなりたいんです。今より、もっと」
本心から言っていることは、目を見れば分かる。
俺に向けられる熱に浮かされたような熱ぅい視線。
そしてその本心から俺を求めてくれる声が、俺の底を満たしてくれるのを感じる。
我ながら回りくどくて意地が悪い。
でも、はるちの言う言葉と矛盾している行動には時が経てども納得がいかない。
『もっと仲良くなりたいなら、敬語やめればいいのに』
クスクス、と癖で口元に手を持っていって上品に笑ってしまう。
これを言うと、決まってはるちは拗ねたような表情をする。きっと揶揄われていると思っているからだろう。
いつもなら態々言わないが、偶にはいいか、と気まぐれが働き、その先を口にする。
『…俺ね、実は結構タメ語のはるちのこと好きだよ?』
近くにあったはるちの綺麗な髪を強めに掴んで、目線を合わさせる。
『そのお綺麗な
ね、だから遠慮なくタメ語で喋ってくれていーんだよ?』
うっそりと微笑んで、マスク越しに頬に触れる。
はるちは顔を真っ赤に染め上げると、しゃがみ込んで顔を覆い隠したので 手を離してその様子をケタケタと笑ってやった。
*
326人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月18日 22時) (レス) @page50 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
くろーーーー。 - (*´д`*)ハァハァ好きすぎる・・・!!!これからの物語めっちゃ期待してます!!!!! (2021年11月30日 21時) (レス) @page4 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年11月30日 15時