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赦し ページ29




酷な事を聞いているのは分かっている。

だがこれは避けて通れない件だし、他人の手が絡んで余計に拗れてしまう前に、当事者である俺達だけで事を済ませたかった。



『今聞いてるのは俺。

 俺の気持ちは一旦置いといて、万次郎はどう思ってるか聞かせろ』



万次郎の顎を片手で掴んで、顔を俺の方に向ける。



応えるまで離さない。



目でそう訴えると、やがて万次郎は静かに話し出した。



マ「…場地も言ってた。
 一虎は俺を喜ばせたかっただけだって。

でも… 知らなかったんだとしても、兄貴を殴った事は許せない!!」



息を荒くして声を張り上げた万次郎を、鎮めるように背をゆっくり撫でてやる。


そして俺がこの件についてずっと思っていた事を言った。



『…友達(ダチ)だから、なんでも赦さなくちゃいけないのか?』


マ「……えっ?」



目をまん丸に見開いて、俺を凝視する万次郎。



『なぁ万次郎、お前… 一虎の事好き? まだ仲間だと思ってる?』


マ「…っ思ってるよ。だってアイツはオレの為に……!

でもっ 仲間なのに赦せないから…っ、こんなに悩んで… 今だって苦しいんだろ!!」





ああ、やっと言ってくれたな。


それなら、俺が言う事はこれだけだ。





『…赦さなくていいんだよ、万次郎』


マ「さっきから何を『いいから聞いとけ』」





『…親しいヤツでも、許せない事はあって当然だ。

友達(ダチ)だからなんでも赦さなくちゃいけないなら、俺達は今頃赤の他人だろ。

逆に言や、"許せない事があるから友達やめなきゃいけない"なんて誰が決めたんだよ?


…赦せないなら赦せないままでいいんだ。


赦せないまま、一虎の事また迎え入れてやってくれないか。
俺とケースケも、アイツと一緒に償うからさ。


…俺達三人に、チャンスをくれないか? マイキー』





この覚悟が伝わるように、一切目を逸らさずに見つめ続ける。


この件は、俺の傲りと怠慢、そして"コイツらなら大丈夫"という身勝手で一方的な信頼の所為で未然に防げなかった。

だから俺の所為でもある。


それなら俺は、あの二人と一緒に 一生をかけて償うから。

だから────。





マ「ズリぃだろ、その言い方は…」


『、』



















マ「………決めた。


 俺、一虎に"おかえり"って言う。

 んで兄貴の分まで思いっきりぶん殴る。

 …これくらいはいいだろ?」




改変注意報ー!

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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月18日 22時) (レス) @page50 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
くろーーーー。 - (*´д`*)ハァハァ好きすぎる・・・!!!これからの物語めっちゃ期待してます!!!!! (2021年11月30日 21時) (レス) @page4 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年11月30日 15時

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