赦し ページ29
*
酷な事を聞いているのは分かっている。
だがこれは避けて通れない件だし、他人の手が絡んで余計に拗れてしまう前に、当事者である俺達だけで事を済ませたかった。
『今聞いてるのは俺。
俺の気持ちは一旦置いといて、万次郎はどう思ってるか聞かせろ』
万次郎の顎を片手で掴んで、顔を俺の方に向ける。
応えるまで離さない。
目でそう訴えると、やがて万次郎は静かに話し出した。
マ「…場地も言ってた。
一虎は俺を喜ばせたかっただけだって。
でも… 知らなかったんだとしても、兄貴を殴った事は許せない!!」
息を荒くして声を張り上げた万次郎を、鎮めるように背をゆっくり撫でてやる。
そして俺がこの件についてずっと思っていた事を言った。
『…
マ「……えっ?」
目をまん丸に見開いて、俺を凝視する万次郎。
『なぁ万次郎、お前… 一虎の事好き? まだ仲間だと思ってる?』
マ「…っ思ってるよ。だってアイツはオレの為に……!
でもっ 仲間なのに赦せないから…っ、こんなに悩んで… 今だって苦しいんだろ!!」
ああ、やっと言ってくれたな。
それなら、俺が言う事はこれだけだ。
『…赦さなくていいんだよ、万次郎』
マ「さっきから何を『いいから聞いとけ』」
『…親しいヤツでも、許せない事はあって当然だ。
逆に言や、"許せない事があるから友達やめなきゃいけない"なんて誰が決めたんだよ?
…赦せないなら赦せないままでいいんだ。
赦せないまま、一虎の事また迎え入れてやってくれないか。
俺とケースケも、アイツと一緒に償うからさ。
…俺達三人に、チャンスをくれないか? マイキー』
この覚悟が伝わるように、一切目を逸らさずに見つめ続ける。
この件は、俺の傲りと怠慢、そして"コイツらなら大丈夫"という身勝手で一方的な信頼の所為で未然に防げなかった。
だから俺の所為でもある。
それなら俺は、あの二人と一緒に 一生をかけて償うから。
だから────。
マ「ズリぃだろ、その言い方は…」
『、』
マ「………決めた。
俺、一虎に"おかえり"って言う。
んで兄貴の分まで思いっきりぶん殴る。
…これくらいはいいだろ?」
*
改変注意報ー!
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月18日 22時) (レス) @page50 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
くろーーーー。 - (*´д`*)ハァハァ好きすぎる・・・!!!これからの物語めっちゃ期待してます!!!!! (2021年11月30日 21時) (レス) @page4 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴奈 | 作成日時:2021年11月30日 15時