76. ページ26
.
障害が起きてしまった。翌朝、ロンの手は二倍ぐらいの大きさに腫れ上がったのだ。その日の授業が終わった後、ルナとハリーとハーマイオニーは医務室に飛んで行った。ロンはひどい状態でベッドに横になっていた。
「ルナの言う通りだった。やつの牙には毒があったんだ……でも、僕がひどい目にあってるのは手だけじゃないんだ。マルフォイが来たんだ。あいつ、僕の本を借りたいってマダム・ポンフリーに言って入ってきやがった。僕のことを笑いにきたんだよ。本当のことを言うって脅された」
「土曜日の真夜中ですべて終わるわよ」
すると、ロンは突然ベッドに起き上がり、すごい汗をかきはじめた。
「土曜零時！ あぁ、どうしよう……大変だ……チャーリーの手紙をあの本に挟んだままだ。僕たちがノーバートを処分しようとしてることがマルフォイに知れてしまう」
ハリーとハーマイオニーが答える間も、ルナが『そんな！』と叫び声を上げる間もなかった。マダム・ポンフリーが入ってきて、「ロンは眠らないといけないから」と三人を病室から追い出してしまったのだ。
.
「いまさら計画は変えられないよ」
ハリーはルナとハーマイオニーにそう言った。
「危険でもやってみなくちゃ。それにこっちには透明マントがあるってこと、マルフォイはまだ知らないし」
不安ながらも、ルナは少しの望みに賭けて頷くことしかできなかった。
.
ハグリッドがノーバートに別れを告げる時がやってきた。ハグリッドはノーバートを大きな木箱に入れて準備をすませていた。ルナは木箱に封筒を貼り付け、『よし』と呟いた。
『ハリー、私も連れて行ってくれるわよね？』
「もちろん。きみがいなきゃ僕は何もできないままさ」
封筒にはここ数週間でルナが書き溜めたノーバートの成長記録が入っていた。大きさ、食事、癖など、ルナがハグリッドの小屋に来るたびに書き加えていたものだった。
「ノーバート、バイバイだよ」
ルナとハリーとハーマイオニーが透明マントを箱にかぶせ、自分たちもその下に隠れると、ハグリッドはしゃくり上げた。
「ママちゃんは決してお前を忘れないよ」
どうやって箱を城に持ち帰ったやら、三人は覚えていない。入口のホールから大理石の階段を上がり、暗い廊下をわたり、三人が息を切らしてノーバートを運ぶ間、刻一刻と零時が近づいていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーネ(プロフ) - マニ。さん» 最高だなんてもったいないお言葉、ありがとうございます！ボードの件ですが、リアルの関係で浮上率が低くなってきており、ご迷惑をおかけしてしまうと思いますので、お断りさせていただきます。これからも、こちらの作品をよろしくお願いいたします！ (1月30日 0時) (
レス) id: 69f9028131 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - セレーネさん» ✉️。こんにちは！ハリポタ作品最高過ぎて受験の癒しとしてよく見ています！これからも体調の方とか気をつけて頑張ってください！嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます！💖、セレーネさん。☺️ (1月27日 18時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネ(プロフ) - クラゲさん» 大好きだと言っていただけてとても嬉しいです…！これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いいたします！ (1月15日 0時) (レス) id: 69f9028131 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - 大好きな作品です！とても書くのが上手くて尊敬します！更新楽しみに待ってます！！ (1月13日 23時) (レス) @page16 id: a121ad2e0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セレーネ | 作成日時：2023年11月20日 20時
