73. ページ23
.
「ああ、そうだ。スネイプは石を守る方の手助けをしたんだ。盗もうとするはずがない」
ルナの中で真犯人の第一候補はスネイプに変わっていた。もしスネイプが石を守る側にいたならば、他の先生がどんなやり方で守ろうとしたかも簡単にわかるはずだ。
しかし、スネイプだけが怪しいわけではない。第二候補はクィレルだ。クィディッチの件といい、森での件といい、重要な場面には必ずクィレルが大きな印象を残している。クィレルの全てがまるであの紫色のターバンに覆われているように、この先の論の展開をルナは作り出せなかった。
「ハグリッドだけがフラッフィーをおとなしくさせられるんだよね？ 誰にも教えたりしないよね？」
「俺とダンブルドア先生以外は誰一人として知らん」
「そう、それなら一安心だ。……ハグリッド――あれは何？」
ハリーは暖炉を見て声を上げた。炎の真ん中、やかんの下に大きな黒い卵があった。
「えーと、あれは……その……」
『…なるほどね』
図書館でハグリッドが読んでいた本、そしてこの黒い卵。これの正体はドラゴンの卵で間違いないだろう。
「ハグリッド、どこで手に入れたの？すごく高かったろう」
「賭けに勝ったんだ。昨日の晩、村まで行って、ちょっと酒を飲んで、知らないやつとトランプをしてな。はっきりいえば、そいつは厄介払いして喜んでおったな」
「だけど、もし卵が孵ったらどうするの？」
「それで、ちいと読んどるんだがな」
ハグリッドは枕の下から大きな本を取り出した。
「『趣味と実益を兼ねたドラゴンの育て方』――母竜が息を吹きかけるように卵は火の中に置け。それとここを見てみろや――卵の見分け方――俺のはノルウェー・リッジバックという種類らしい」
「ハグリッド、この家は木の家なのよ」
ハーマイオニーの言葉に耳もくれず、ハグリッドはルンルン鼻歌まじりで火をくべていた。
.
結局、もう一つ心配を抱えることになってしまった。ハグリッドが法を犯して小屋にドラゴンを隠しているのがバレたらどうなるんだろう。
「あーあ、平穏な生活って、どんなものかなぁ」
次々と出される宿題と来る日も来る日も格闘しながら、ロンがため息をついた。ハリーとロンの分の復習予定表制作がルナとハーマイオニーの共同作業で行われたので、二人とも気が狂いそうだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーネ(プロフ) - マニ。さん» 最高だなんてもったいないお言葉、ありがとうございます！ボードの件ですが、リアルの関係で浮上率が低くなってきており、ご迷惑をおかけしてしまうと思いますので、お断りさせていただきます。これからも、こちらの作品をよろしくお願いいたします！ (1月30日 0時) (
レス) id: 69f9028131 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - セレーネさん» ✉️。こんにちは！ハリポタ作品最高過ぎて受験の癒しとしてよく見ています！これからも体調の方とか気をつけて頑張ってください！嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます！💖、セレーネさん。☺️ (1月27日 18時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネ(プロフ) - クラゲさん» 大好きだと言っていただけてとても嬉しいです…！これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いいたします！ (1月15日 0時) (レス) id: 69f9028131 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - 大好きな作品です！とても書くのが上手くて尊敬します！更新楽しみに待ってます！！ (1月13日 23時) (レス) @page16 id: a121ad2e0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セレーネ | 作成日時：2023年11月20日 20時
